売り手市場は、物資の不足と言う十人一色の時代だからこそ成り立っていたのであり、
物資が充分に満たされた現代では、十人十色、一人十色であり、完全に買い手市場と
なっている。そして、過去の成功体験からの脱却が出来ない経営者達の姿は、今は
(倒産や吸収や合併を余儀なくされていて)もう無い…。
成功している時から失敗の種を蒔いている事に気が付いている経営者は、市場の変化
に対して敏感であり、その市場の中心が常に顧客である事を知っている。その経営者
の一人は、売り手市場時代には異端児扱いされたセブンイレブンのトップ、鈴木敏文氏
であり、言わずと知れた、現在のイノベーションし続ける組織作りの第一人者である。
その鈴木敏文氏が、なぜ今もって「発注」に拘り続けるのか?「発注力」が、なぜ
必要なのか?なぜ重要なのか?を論理的、実践的に、実例(主にセブンイレブン)を使って
検証し、定義されたビジネス書ですが、読み物としても面白く、一気に読めます。
各章、各部の最後に「顧客の目線でここをチェック」と言うチェック項目があるので、
理解度の確認、復習が出来るのは有難いです。また、最終章のチェック項目の全てを
纏めた「総まとめ」は重宝すると思います。
本書は小売業を中心に書かれていますが、小売業だけでなく、顧客が存在する商売
(つまり全て)に応用できるものであると思います。限られたビジネス書籍棚に並べ
る1冊に是非とも加えておきたい書籍です。