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セドナ、鎮まりてあれかし (ハヤカワ文庫JA)
 
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セドナ、鎮まりてあれかし (ハヤカワ文庫JA) [文庫]

泉 和良
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

先の大戦の激戦地だった太陽系辺境の小惑星セドナには、今も膨大な数の遺骨が眠る。ゴロこと尾野碁呂空曹は、任務中の事故で脳に障害を負い、この星に赴任した。穏和な老人イーイーさん、旧型アンドロイドのクイミクと、たった3人でセドナに暮らし遺骨を収集する日々。ナノマシンの嵐で独自進化した生態系を持つこの星と、3人の鎮魂の祈りが深く共鳴するとき、ささやかな奇蹟が結晶する―俊英作家の癒しと再生の物語。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

泉 和良
1976年生まれ。香川県出身。大阪芸術大学音楽学科卒業。ゲーム作家、小説家、音楽家。ゲーム会社にて、グラフィッカー、サウンドコンポーザーとして勤務したのち、“ジスカルド”名義でフリーゲーム作家として活動。2007年、小説『エレGY』で、第2回講談社BOX新人賞流水大賞優秀賞を受賞し、翌年デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 323ページ
  • 出版社: 早川書房 (2010/11)
  • ISBN-10: 4150310181
  • ISBN-13: 978-4150310189
  • 発売日: 2010/11
  • 商品の寸法: 15.8 x 10.8 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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11 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
一見SFだが、本質的にSFではなく、辺境の準惑星で起きた切ない物語。
宇宙ものだが、作者はどうやら今日の日本と日本人のあり方に意識を向けて書いているようだ。セドナの特殊な生物群も紹介されているが、何故、そういう生物達が誕生したかは一部を除きあまり考証されていない。テラフォーミングについても、そもそも重力をどう改造したかの説明も無い。大気があるからには、先に重力を改造して大気が逃げないようにしたのだと想うが・・・
太陽圏連合が戦争でオールティア連合(と言う事はオールトの雲に属する小天体群に移住したのか)、現在の雲州連合に敗れ12の星のうちセドナは最激戦地で、戦後大分経ったと言うのに復興に携わる軍関係者(人間一人とアンドロイド一体)しかおらず、戦争で脳にダメージを受け知的障害者となった主人公がそこへ派遣されて体験する物語。
オールティアは東雲州と西雲州とに分かれて対立しており、太陽系の情勢がそのまま世界情勢にダブる。セドナは硫黄島と言ったところだろうか。実際、戦死者に対し英霊と言う単語が使われている。何より弱腰の太陽圏連合と、大衆の反応は今の日本を想わせる。おそらく作者は日本政府の外交や政策についても文句を入れたいところなのだろう。
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14 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
残念です 2011/1/29
By palest
何が残念って、このお話が終わったことです。
久しぶりに涙が出ました。
主点が英霊のタガナックという事が、個人的に最高でした。
クイミクの個性が良い!なんだろう、自分の考える理想としたSF世界のアンドロイド、って感じです。
下(上?)のレビューと同じで、戦時中の日本と酷似しています。
南雲がアメリカ、東雲がロシアや中国と言った共産主義国で、
オールティア連合が戦時中の国際連合、太陽圏連合が枢軸国連合、でしょう。
露骨なほどに前面に出しています。訴えたいことはこことして、
決して生々しいだけの話ではなく、また戦争を支持する訳でもない。
なんというか、戦争自体ではなく、相手国でもなく。戦争について知識も興味も無く
戦後の日本に現状満足して過去のものとし、ただひたすらに経済的に進み、
戦前、戦死者が守り続けてきた文化や精神と言ったものを見習うどころか保護しようともしない
現在の日本人に対して訴えている本だと思います。

ただし!

これは訴えている本ではなく、やさしい話のSF小説です。
じゃあなぜそこまで語ったのかと言うと、野蛮なくらい軍を求めて、それを戦時の日本の正当性で必要性を
主張する、愛国心ではなく軍事力を愛する人の話なんかよりもココロに深く響いて、
野蛮ではなくただただ日本の将来を心配した著者のココロに強く共感でき、結果としてそう
思うようになったからです。

自分はこういう意味を持った本でも良かったと思います。

まぁSFが好きなので、その観点でも話すと、良くありがちな創造オーバーテクノロジーに関する
説明口調の(と言うより説明)話はなく、純粋に未来の世界観で暮らす、幻想的な
話になってます。
いいですね。こういうの読みたかったんです。終わったのが悲しすぎる。
ゴロとクイミクの立ち位置も、自分が理想とするアンドロイドの扱いでよかったです。
ただ、イーイーについて最後まで良く分かりませんでした。
良い人だし、話的にも好きですが、年寄りなのに若者に負けない体力を持っていて、
また年寄り扱いされるのが嫌い、でも笑顔や性格は優しい。
そしてイーイーのお父さんの話を読んで、更に複雑になりました。
カッコいいおじさん、だけど、いろんな面を持ち合わせすぎて、タガナックより不思議な人でした。
九茂副指令も、マイルド過ぎて、夢中で読んでてホンワカし過ぎて骨粗しょう症になりそうです。
でも、そういう話だから違和感はありません。
超兵器やレーザーの打ち合い戦争が無いので、本当に楽しかった。
個人的に続編を!
100年後の、たびたびアップグレードされたクイミクの話でもどうですか?!
ゴロまで死んだ後の、存在意義が見出せないタガナックの話もいいですね〜。
やっぱり、話が読み終わるのはいつも悲しい。
良い小説でした。
「ありがとうございました」
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泉和良さんの4作目。

3作目までは全て同じような構造を持つ内容だったのですが、
4作目ではSFというジャンルに挑んでいて、とても読んでいて楽しかった。

というのも僕にとっては泉さんはSFを作る人という印象がどうも強く、
泉さんが小説を書くならばSFを書いて欲しいという思いがあったからでしょう。

今の日本の現状や戦争に対する隠喩が物語の背景にあるように感じますが、
そういった裏読みをせずとも十分に楽しめる内容になっています。

ただ、主人公が日本人で主人公の上司なども日本と関わりのある人物(日系2世だか3世)なので、どうしても今の日本文化について考えさせられます。

物語は3013年のセドナという名前の星が舞台なのですが、
相変わらず「蛍の光」などを歌っていたり、食事にも米や味噌汁が出てきます。

私達は宇宙旅行をするようになり、他の星に住むようになっても
私達が育った祖国や郷の文化を大事にしなければいけないのかもしれません。

物語が中盤から終盤にかけて物語中の謎が次々と解けていきます。
それらは作中の「私」なる人物の推測という形を取っていますが、
それは一種の語り口であって(作者が登場人物に代弁してもらったということだろう)、その推測が物語の謎解きと思って読んで構わないと思います。

終盤の「セドナ、鎮まりてあれかし」のタイトルとの関連が分かった時には感動の涙が出てきてしまいました。
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