一見SFだが、本質的にSFではなく、辺境の準惑星で起きた切ない物語。
宇宙ものだが、作者はどうやら今日の日本と日本人のあり方に意識を向けて書いているようだ。セドナの特殊な生物群も紹介されているが、何故、そういう生物達が誕生したかは一部を除きあまり考証されていない。テラフォーミングについても、そもそも重力をどう改造したかの説明も無い。大気があるからには、先に重力を改造して大気が逃げないようにしたのだと想うが・・・
太陽圏連合が戦争でオールティア連合(と言う事はオールトの雲に属する小天体群に移住したのか)、現在の雲州連合に敗れ12の星のうちセドナは最激戦地で、戦後大分経ったと言うのに復興に携わる軍関係者(人間一人とアンドロイド一体)しかおらず、戦争で脳にダメージを受け知的障害者となった主人公がそこへ派遣されて体験する物語。
オールティアは東雲州と西雲州とに分かれて対立しており、太陽系の情勢がそのまま世界情勢にダブる。セドナは硫黄島と言ったところだろうか。実際、戦死者に対し英霊と言う単語が使われている。何より弱腰の太陽圏連合と、大衆の反応は今の日本を想わせる。おそらく作者は日本政府の外交や政策についても文句を入れたいところなのだろう。