この本は要するに,
・男は女に対してセックスしか望んでいない
・女はもう少し長期的に考えており,男に対して「資源」を求める
・この違いは脳やホルモン系の違いによる生来的なもので,変えられるものではない
といった3点程度の内容を,週刊誌か旅行ガイドのような軽いノリの文体でくどくどと書いたものである。
まあ一面の真理には違いないが,別に新しく聞く話ではなく,むしろ今日では「当たり前」の範囲だろう。脳科学やホルモンを持ち出して少々科学的な味付けをしてはいるが,それも自説に都合の良い調査結果をつまみ食いしている程度である。
叙述も「男の欲求はたったの2つ…食いたいとヤリたい,それだけ」などと単純・即物的で,情緒も味わいも何もない。初めのうちはこの単刀直入さが面白くもあるが,50ページくらいで飽きてくる。
もちろん著者の言うとおり,要するに男はセックスをしたいのだ。全く同感である。けれども,それを押し隠して女性に間接的なアプローチをかけるところに情緒や文化がある。それを省いてしまったら身も蓋もなく,ドラマも感動もなく,面白くも何ともない。
恋愛論や男女論としても全く面白くなく,マンガやジョークも下品でくだらない。わざわざ英語から訳して日本人が読むほどのものとは思えない。はっきり言って「白人はバカか」と思いたくなる類の本。幸い日本には日本人の書いたずっと優れた恋愛論や男女論の本が山ほどあるので,若い読者には是非そちらを読んでもらいたい。