これを書いている現在2008年。おそらくこのレビューは誰にも読んではもらえないだろう。
友人と酒を飲みながら馬鹿話に花を咲かせていたら、いつのまにか話題がゲームに移行し、やがてパンツァードラグーンの話になった。
どちらからともなくポツリとつぶやいた。
「……神と戦ってるような気がするよな」
これは「ツヴァイ」のラストバトルのことだ。美しい乳白色の海へと我々を導いた、巨大な、あまりに巨大なガーディアンドラゴンとの一騎打ち。初めてそのシーンに立たされた自分が感じたのは、しかし恐怖ではなかった。
うまく言えないが…… 「なんて場所に来てしまった……なんという偉大なモノと俺は対峙しているんだ!」という畏れ、畏怖そのものであった。
ここに至るまでの戦いがいかなるモノであったか、この戦いの後にどんな結末が待つのか…もはやそれはどうでもいい。今ここにいるのは畏るべき神と、自分と、そして自分に代って傷付いてきたかけがえのないもう一人の神だけだ。
鳴り響くのは敵をも自分をも祝福するような切々たる旋律(この曲はゲームの中で音楽の果たす役割の偉大さを存分に味あわせてくれる)。深海の生物を思わせる優美で無慈悲なガーディアンの攻撃。そして咆哮とともに現われる真の敵……
今見れば、所詮サターンのグラフィックと音源で創られた代物にすぎない。実写と見間違うばかりの贅沢なビジュアルに慣らされた若いゲーマーがこのゲームをプレイして、我々が経験したものと同質の感動を得る可能性は皆無だろう。当然のことだ。この文は、ただのオールドユーザーのボヤキと思ってくれればいい。
ただ最後に、これだけは言いたい。『ツヴァイ』のラストエピソードの荘厳な美しさを超えることは、結局『オルタ』を待ってすら成し得なかった……と。