前作「セブンスドラゴン」では不評だったマップ全面毒沼やアイテム所持数の少なさなどはほとんど改善されているように思います。
詳細は他の方も述べているので割愛しますが、前作とは打って変わってプレイヤーに対してとても親切な仕様になっていて、それでいて決して「ヌルゲー」ではなく
誰しもが一度は全滅を体験するであろうという高難易度をキープしつつも難易度が高すぎることによってストレスを感じることも無い絶妙なバランスに仕上がっています。
シナリオもややブラックで単調ですが悪くはなく、総合的には普通のRPGとしてみれば並以上の出来になっていると思います。
しかし、セブンスドラゴン2020には普通のRPGとは異なる重要な要素の一つとしてキャラクターメイクがあります。
公式曰く
「深化(進化の誤字?)したキャラクターメイキング。好みの外見、好みの職業、好みのボイス、好みのスキル育成で自分だけのムラクモと、パーティーをカスタマイズ可能。」
だそうですが、結論から言ってしまえば自分だけの好みのキャラクターなんてほとんどカスタマイズできません。
スキル構成を除けばキャラクターを構成する要素は主に
名前 外見 職業 ボイス の4つです。
名前はひらがなとカタカナしか使えないのが少し気になる程度です。
次に外見と職業ですが、前作と比べると外見は28から10に、職業は7から5に、大幅に減少しています。
特に外見に関しては半分以下で、一般的RPGの主要キャラクター数と同じか少ないくらいしかなく選択の余地がほとんどありません。
キャラクターは最大で12人まで作成可能ですが、外見が10しかないため必ず見た目が被ります。
また、これは各人の好みにもよると思いますが、非常に特徴的で濃い絵柄をしているために「自分だけのキャラクター」を想像しにくいというのもあると思います。
そしてこのゲームの一番の売りであろう「豪華声優陣30人によるボイス」ですが、確かにこの手のゲームで30人という人数はかなり多いです。
しかし、台詞自体は戦闘時の掛け声くらいでそれほど多くないにも関わらず、1人の声優につき1パターンのボイスしか収録されていないために結局各性別15パターンずつのボイスしかありません。
これでは他のボイス付きキャラメイキングのあるゲームと比較しても多いと言えないどころか少ない部類に入るでしょう。
さらに致命的なのが、ほとんどの声優にその声優の代表作とも言える有名なアニメキャラを非常に意識した、というよりほぼ同じ演技をさせていることです。
元ネタ作品のファンで、その作品のキャラをゲーム内で再現したい!という方にとっては良いことなのかもしれませんが
元は「目立ってなんぼのアニメのメインキャラクター」用の演技ですので、当然それぞれ特徴が強く汎用性を失っており自分好みのキャラクターを作るには向いていません。
今作の絵柄に合うかどうかを完全に無視した演技をさせているために自分の好みかどうか以前にそもそも「不自然すぎる、どう見ても似合わない」組み合わせが多数あり
どのプレイヤーが選んでも外見とボイスの組み合わせはほとんど限られてしまってオリジナリティも糞もありません。しかも前作では自由に想像できたキャラクターの性格まで固定されるというオマケ付きです。
「この声優さんならもっとこのゲームや絵柄にあった演技も出来るのに・・・」という場合も多く、非常に勿体無いことだと思います。
また、これも有名キャラクターを意識した演技が多いことによる弊害ですが、ボイスの性格の種類がとても偏っています。
大雑把に言ってしまえば男女ともにわりと陽気な、大声を張り上げるタイプのボイスがほとんどで、控え目なキャラクターや温和なキャラクターを作りたいと思っている人はボイス選びに悪い意味で悩むことになるでしょう。
このように、外見や職業が少ないのは言うまでもないですが、ボイスもとりあえず声優の人数を揃えたというだけで実際の選択肢はかなり少なく感じます。
前作や、ディレクターである新納氏の代表作であり同様にキャラメイクに重点を置いた作品である「世界樹の迷宮」シリーズでは自分の想像に合わせてキャラクターを作るという感じでしたが
今作では外見やボイスに縛られてしまいそれに無理やり自分の想像を合わせるといった風で、「自由に好みのキャラをカスタマイズ」している感は全くありませんでした。
せめて外見は倍以上、ボイスは1人の声優につき様々な性格3パターンくらい収録されていれば胸を張って「このゲームはボイスが豊富!好きなキャラを作れる!」と言えたのではないでしょうか。
話題性や有名作品ファンへのファンサービスを重視しすぎた結果なんでしょうが、「キャラクターメイキングのしやすさ」を完全に放棄してしまっています。
キャラメイクが醍醐味の一つであり主要な楽しみ方でもあるセブンスドラゴンの続編で、公式でもキャラメイクを前面に押し出してPRしている以上、こんな手を抜くような真似はしてほしくなかったというのが本音です。
システムは前作よりも大幅に良くなっているのに、肝心な部分を軽視して大事なコンセプトの一つを自分で崩してしまっているのはとても残念です。