ゲームを始めて10〜20時間くらいまでは、「独創的要素を取り入れた新感覚2DRPG」として
新鮮な気持ちでプレイできると思います。しかし慣れてくると、あちこちの綻びが目に付くようになります。
好き嫌いはあるようですが、イラストやBGMは良質なもので、ゲームコンセプトも面白いと感じました。
ただ個人的に、このような古典的RPGで最も重要だと思う「テキスト・シナリオ」は、凡庸と言えばそう悪くは聞こえませんが
他の優れた要素に比べると明らかにレベルが低く、足を引っ張っている気がします。
主要人物はもちろん、町や村の一般人など脇役まで、雰囲気を出すためにかなり気を遣うところだと思いますが
文章に手作り感が溢れすぎていて、なんというか「友達がRPGツクールで作ったゲームをやらされてる気分」になります。
舞台裏が見えてくるような棒読み感に、テキストを書いてる誰かが想像できるくらい拙い文章。
ストーリーに愛着が湧きませんし、そもそものシナリオが飛躍しすぎてついていけません。
フリーシナリオになったのはいいですが、別に自由度が高いわけではなく、ダンジョン潜り・戦闘・素材集め・町に帰還、の作業ループ。
ウリの「倍速バトル」も、相応レベル以下のエリアでは著しく減少する入手経験値と、エンカウント率の高さによって台無しです。
ホントにサクサク進めるなら良いのですが、クエストではクリア済みエリアでの素材集めを要求されることも多く
ひたすら無駄なお使いをさせられてる気分になります。基本的に依頼は「雑用」、報酬は「お駄賃」程度です。英雄は便利屋らしいです。
エンカウントやフロワロ被害を抑えるためには、スキルやアイテムの定期的使用が必要となり
少し歩いたらスキル使用、また歩いたらアイテム使用。そして遅すぎる移動のためBダッシュ押しっぱなし。
下手なアクションゲームより疲れます。
一枠一個のアイテム欄は無駄に古典的で見にくいのですが上限100のため
素材や回復系やらですぐ一杯になり、しかし「預かり所」などはありません。
一部の特殊ポイントを除いて、セーブは基本的に宿屋で行なうため、中断はまず不可能です。
携帯機の意味はあるのでしょうか。
クエスト受理の手間や表示されない近道、意外と影の薄いちびキャラなどは、他レビューの方々も書かれておりますし
全部書くと本当にキリが無いので、こちらでは省略させていただきます。
おそらく「サクッとクリアして別パーティの組み合わせでまた楽しむ」みたいな設計だと思いますが
一週目にしてもうしんどいです。魅力的ストーリーでも無いので、やり直すのは苦痛です。
「最近のゲームに慣れたせいか面倒で云々」という意見もポツポツありますが、そう感じるプレイヤーが普通だと思います。
10年以上前でさえ、もっと親切なゲームは当たり前に存在しますし、製作側もあえて不親切なゲームを作ったわけでも無いでしょう。
ただ「作り込みが甘すぎる」の一言に尽きます。プレイヤー側に「楽しむための労力」を要しすぎており
逆に「作る側の努力と配慮」が見受けられる部分を探すほうが難しいです。
公式サイト・ちびキャラTALKのほうがまだ気合入ってるんじゃないかと。
正直、アイディアやブランドに頼りすぎている印象を受けます。
例えば「世界樹の新納氏」「モタ氏のイラスト」「セガのゲーム」「古典的な王道RPG」。
それだけで評価を下げることができない方も、少なからずいるように思います。
上にも挙げましたが、一部を除き、個々の要素は決して悪いものではなく、★5になってもおかしくなかったはずです。
「新規アイディアの試行錯誤」らしき部分も多いですが、それ以上に「不十分すぎる仕上がり」。
自分としては特に「宣伝イメージとの差異」で大いに落胆したので、★2として評価します。
深いやり込みを求めない方や、元から気軽に遊ぶつもりで買う方にはお勧めできます。