この映画は、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争を経験した監督が、民族紛争の醜さ酷さを平和な世界に住んでいる人(アメリカ人?)に理解してもらうために作った映画だ。
妻子をテロで失い、個人的な復習の為にイスラム寺院を襲って惨殺した米兵がギイと名前を変えフランス外人部隊へ入る。その後ボスニア紛争のセルビアへ傭兵として参加する。この役をデニス・クエイドが演じているが、もともと能天気な役が多かった彼が、なかなか渋い演技で、今まで見た中では一番良かった。
このギイは、平和な世界に住んでいる我々を、悲惨で醜い戦争の世界連れて行ってくれる道案内として存在している。
民族戦争を行っている人たちの価値観と我々(いわゆる西側?)の価値観の違いを、彼の行動を通して示してくれるのだ。
紛争自体はボスニア、セルビア、ムスリムが3つ巴の戦いをした為非常に分かり難いが、映画ではなんの説明もなく淡々と描画されており、注意深く見ないと理解でない。しかし、監督にとってそういう事ははどうでもよく戦いの中で行われた残虐行為をそのまま何の装飾しないで描く事であの紛争の醜さを表したかったのだろ。
ムスリム人に捕虜となりレイプされたセルビア人の娘が、身ごもって故郷へ帰ってきた時の家族の仕打ち。生まれた赤子に対するギイのこだわり。等、見るところはたくさん有る。
ともすれば忘れ去られそうになる彼の地の紛争の、真実の姿を伝えてくれる貴重な映画だと思う。一度は見て欲しい。