最初からドキッとさせられる。世の中で医療に従事するという意味は何かを語ってくれる。第3章『緩和ケアと疼痛管理』の「死に対する医師の姿勢」の文章は泣かされる。「医療者による最大の努力の甲斐なく、患者は亡くなる。医師は、迫りくる死の認知と対処に対して熟知すべきである。」
凛々しく仕事をしないといけないと腹が決まるだろう。
ユーモアがあふれている。おぼえ方まで丁寧にのせてある。これを考案した人は、記憶力の研究家でもある。英語で書かれたキーワードを集めた『記憶のコツ』、あるいは重要点をキッチリまとめ上げる『Hot Key』は、決してふざけてはいない。くそ真面目なのだ。なんとしてでもこの書に述べたことを 知ってほしいという願いがこもっている。読んでいて 楽しくなる医学書はほとんど無い。薀蓄(うんちく)を凝縮して惜しみなく読者にプレゼントする原作者に驚く。同時に、翻訳者も原本のセンスをそこなうことなく見事に日本語化している。
小説を読むがごとく この書とつきあうのがいい。恋人と一緒にいるような気持ちになってくる。しかし、原作者はすごい人たちである。