From Publishers Weekly
日本のデフレが5年目に入った2003年、金融ジャーナリストであるテットは、1953年から1970年にかけて日本に驚異的な成長をもたらした経済のエンジンが、なぜ1990年以来止まってしまったのかを論じている。なぜ停滞が続くのか、疑問に感じた彼女は、これまでのマクロ経済学の説明には満足できず、なにがうまくいかなかったのかを調査するため、別の興味深い観点から検証することにした。日本長期信用銀行の歴史に焦点を当てることにしたのだ。
長銀は、好況の時代に産業界の顧客への融資を通じて発展し、80年代には不動産融資でポートフォリオを広げ、2000年に米国のコンソーシアムに買収されて、現在は新生銀行として再生を図っている。この驚くべき紆余曲折の物語は、文化的にも、政治的にも注目に値するが、テットはさらに、この銀行に見られる問題点は、日本経済全体がかかっている病理を示していると考える。彼女は、日本は旧態依然のビジネスのやり方に頼った結果、不良債権を増やし、1990年代に銀行システムに総額1兆ドル以上の負担を負わせることになったのだと論じている。そして長銀の破綻と買収は、大勢の返済に行き詰まった債務者に厳しく対応することができなかったことによる当然の結末だと考えているのである。あくまで事業と割り切った米国のコンソーシアムは、存続可能な市中銀行へと生まれ変わらせる展望をもって長銀を買収したが、まもなく、隠されていた莫大な不良債権とコンソーシアムの新しい事業戦略に対する予期せぬ抵抗に直面した。真に迫った本書での、テットの歯に衣着せぬ分析は、議論を呼ぶに違いない。なぜなら非難の矛先が、総意を重んじる考え方、調和、階層制度、島国根性、変化への抵抗、とくに外国人による変化への抵抗といった、彼女が麻痺を起こさせる伝統とみなしたものへと向けられているからだ。
Copyright 2003 Reed Business Information, Inc.
--このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
内容(「BOOK」データベースより)
日本の経済は、なぜ停滞から脱出できないのか―その答えを見つける手がかりは、ある銀行の歴史にあった。バブル期に発生した巨額の不良債権を抱えて破綻し、外資へ売却された長銀(日本長期信用銀行)、現・新生銀行である。本書の第一部では、長銀が不良債権の泥沼にはまり込み、懸命の努力もむなしく破綻した経緯を再現する。第二部では“ガイジンの襲来”と恐れられた起業再生ファンドリップルウッドが長銀を買収した舞台裏を描く。のちに激しい批判を浴びた「瑕疵担保条項」成立の真相も明らかにする。第三部では、アメリカ流の経営手法を大幅に取り入れた新生銀行が、「そごうショック」や金融庁との闘いを乗り越えてIPO(新規株式公開)を果たすまでの歩みを検証する。英フィナンシャル・タイムズ紙の元東京支局長が、日米政財界の有力者ら100人以上の証言をもとに書き上げた注目の大作。
内容(「MARC」データベースより)
なぜ日本経済は停滞から脱出できないのか? その答えを求めて、長銀(現・新生銀)の破綻と再生に秘められたドラマを克明に再現し、日本が抱える問題の本質に迫ったノンフィクション。日米有力者の証言も盛り込む。
From Publishers Weekly
Financial journalist Tett asks why the economic engine that achieved phenomenal growth for Japan between 1953 and 1970 has been stalled since 1990, with 2003 marking the fifth consecutive year of deflation. Puzzled by the persistent stagnation and dissatisfied with prevailing macroeconomic explanations, Tett has taken an intriguing alternate route to investigate what has gone wrong: she focuses on the history of the Long Term Credit Bank (LTCB) as it evolved from financing industrial customers during the boom years to expanding its portfolio with real estate loans in the 1980s and recent attempts to reinvent itself as Shinsei Bank after being purchased by a U.S. consortium in 2000. The twists and turns of the fascinating LTCB saga are cultural and political eye-openers, but Tett also thinks that the problems she found in the bank are symptomatic of Japan's economy as a whole. She argues that one consequence of Japan's reliance on old ways of doing business was the proliferation of nonperforming loans, burdening the banking system to the tune of more than a trillion dollars in the 1990s; she sees the meltdown of the LTCB and the need to put it up for sale as an inevitable result of failure to get tough with rafts of deadbeat borrowers. When the determinedly entrepreneurial U.S. consortium took over the LTCB with a vision of transforming it into a viable commercial bank, it soon discovered a vast number of hidden bad loans along with unexpected resistance to the consortium's new business strategies. Her candid assessment in this lively volume is certain to stir debate since she points an accusatory finger at what she characterizes as paralyzing traditions of consensus thinking, harmony, hierarchy, insularity and resistance to change, especially if the proposed changes originate with non-Japanese. Illus. not seen by PW.
Copyright 2003 Reed Business Information, Inc. --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
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メディア掲載レビュー
“Smart and engaging...it’s a riveting tale with important insights into Japan’s culture and its sclerotic system.” (BusinessWeek )
“A fascinating, tragic and important story.” (Seattle Times ) --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
“A fascinating, tragic and important story.” (Seattle Times ) --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
テット,ジリアン
1967年イギリス生まれ。ケンブリッジ大学で社会人類学を学ぶ。89年から約1年半、フィールドワークのために当時ソビエト連邦だったタジキスタンで過ごす。ちょうどこの時期はソ連崩壊の前夜で、フィールドワークのかたわら、BBCやフィナンシャル・タイムズ紙に、共産党支配の衰退やイスラム勢力の台頭に関する記事を書き送った。これがジャーナリズムの世界に身を投じるきっかけとなり、ケンブリッジ大学に戻って博士号を取得した後、フィナンシャル・タイムズに入社。ロンドン本社勤務をへて97年に来日し、当初は銀行業界を担当。2000年からは東京支局長となる。02年、休職して『セイビング・ザ・サン』を執筆した。ロンドン在住
武井 楊一
翻訳家。1951年生まれ。早稲田大学商学部卒。商社勤務などをへて翻訳家となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1967年イギリス生まれ。ケンブリッジ大学で社会人類学を学ぶ。89年から約1年半、フィールドワークのために当時ソビエト連邦だったタジキスタンで過ごす。ちょうどこの時期はソ連崩壊の前夜で、フィールドワークのかたわら、BBCやフィナンシャル・タイムズ紙に、共産党支配の衰退やイスラム勢力の台頭に関する記事を書き送った。これがジャーナリズムの世界に身を投じるきっかけとなり、ケンブリッジ大学に戻って博士号を取得した後、フィナンシャル・タイムズに入社。ロンドン本社勤務をへて97年に来日し、当初は銀行業界を担当。2000年からは東京支局長となる。02年、休職して『セイビング・ザ・サン』を執筆した。ロンドン在住
武井 楊一
翻訳家。1951年生まれ。早稲田大学商学部卒。商社勤務などをへて翻訳家となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)