リアルタイム時は映画誌にスチール写真の紹介は有った物の、劇場では封切られなかった様に記憶しています。
銃砲を装備した近代ヨーロッパ軍が僅かな銃と槍や棍棒で武装した原住民軍と戦い壊滅する様を描いておりますが前半は優雅に大邸宅でポロや茶会に勤しむ英国と、槍と盾で実践さながらの殺し合いをしているズールー軍の対比が描かれています。
クライマックスのズールー族の高い士気や知恵、戦闘力を完全に見誤った英国軍が丘を覆い尽くす黒い絨毯の様なズールー族に殲滅させられる戦闘シーンは、名だたる白人の名優達がバタバタと倒れて行き、オランダ出身で皮肉家の戦災体験者、バホーベン監督のSF映画「スターシップ・トゥルーパーズ」の様でした。
この年代はイギリス主導の戦争大作「遠すぎた橋」やイギリス・ドイツ合作の「戦争のはらわた」、そして本作と厭戦的だが映画的には味のある傑作がヨーロッパで多く作られており、米国より数百年早く植民地戦争を始めた国々の否応無しに出来てしまった歴史観の重みを感じさせます。
調べたら、緒戦は負けていた英国軍は最後はズールーを打ち破りますが、本作では触れられていません。
エンディングでショックの余り一言も利けずにカメラの前で硬直する英国指揮官ピーター・オートゥールの後に映し出される夕日を背景に延々と勝ちどきを上げながら行進するズールー族のシルエットは忘れられません。