(少し、ネタバレあります。) ご存知、児童文学の金字塔のズッコケ三人組シリーズ、その中でも特に傑作である。美少女の転校生が、三人組のクラスに転校してくる。すっかり三人組は心奪われる。そこまではよくある話だが、話はそこで終わっていない。この本の素晴らしい所は、安直なヒューマニズムに流れていないところであろう。美少女も決して完璧な存在でないし、三人組を騙し利用しようとする。最後はどことなく寂寥感と悲しみを感じ、決してハッピーエンドではない。しかし、それでも救いがあるのは三人組(特にモーちゃん)の優しさであろう。少女に騙されていることを分かっていながら、少女の悲しみを理解し、何も言わず少女を助けてあげる。まさに漢(おとこ)という感じがして、寅さんのようだ。この話は子供たちを少し大人にしたことだろう。もちろん、大人が読んでも十分に面白い。子供時代を思い出し、読んでみてはいかがか。