言わずと知れたプログレバンド・キングクリムゾンの、ビル・ブラッフォードの後釜ドラマー:パット・マステロット(55歳)、そして80年代のクリムゾンから参加しているベーシスト(12弦のチャップマン・ステックという特殊な楽器を使っている):トニー・レビン(64歳)、そしてもう一人の若きチャップマン・スティック奏者:ミカエル・バーニアのトリオ編成「スティックマン(〜3人ともスティックを持っているから)」の2010年の作品。キングクリムゾン本隊が新譜を出さないので(もう、不可能かも・・・)、いろいろメンバー周辺をあさっていますが(それしかない!)、このコンセプトには、久しぶりに満足しています。何回も聴けます。
クリムゾンの4分の2(あるいは5分の2、6分の2)がいるわけで、それも核となるリズム隊です。クリムゾン的な重爆撃サウンド(表現が悪くて、ごめんなさい)を期待して聴き始めると、見事その期待に応えてくれています。大音量で聴くと本当にゾクゾクする、鳥肌が立つ、身体が勝手に揺れる!しびれる!!
重低音なパットのドラムは「ヌーボーメタル」なクリムゾンそのものです。そしてトニーのしつこい、硬質なリフ(繰り返し)、アルペジオ、流れるベースラインもクリムゾンのバックそのものです。そんなサウンドが全体のかなりの部分を占めています。ミカエルの歌が入ったりすると、ちょっとがっかり。たまにメロディーにピーター・ガブリエルを連想したり。クリムゾン的だけではない、多彩な音楽性を持つトニーの個性を感じたりもします。でもクリムゾン的な音さえ聴ければ、そんなことは大きな問題ではありません。ひたすら大音量で、ドコッドコッ、ブブブンと、ドラムとスティックの音に打ちのめされましょう。それが気持ちいいです。クリムゾンファンのみなさんには必聴盤、ヘビーメタルが好きな方も聴いてみてください。できるだけ大きな音で!!
2009年8月、モスクワの「King Crimson Festival」で何とロバート・フリップ抜きで、もっと言えばメンバーがエイドリアン・ブリュー以外全部別人で、クリムゾンの曲を演奏している映像を発見して、へらへらと楽しそうに演奏しているブリューに訳もなくがっかりしたところだったので、このstick man は、 Trey Gunn Band(
Live Encounterがお薦め!)と同様に期待したいです。それにしても、あと1枚でもいいからオフィシャルなクリムゾン作品を作ってくれないかなあ。無理だろうなあ。