去年、戦争がテーマである「王様と恐竜」が上演される数日前に、
イラク戦争が始まってしまい、とてもリアルタイムな演目になった
なぁと思った記憶があります。
後半の千之丞さん演じる恐竜の語りの場面は、戦争について考えさせられる
ものがありましたが、他の場面はおもしろおかしく皮肉っているといった印象でした。
しかし、公演が始まってまず何より驚くのが、とても奇抜な出演者の方たちの衣装。
千作さん演じる王はヒトラーのようなちょび髭に自由の女神を思わせる冠。
(偶然とは言え、今現在のアメリカを表しているような気がしないでもありませんが。)
王に群がる「水爆君」は水爆の煙に髑髏、「金君」はドルマークの冠を頭に着けての登場。
その他の出演者の方たちも¥その役柄を表すオブジェを頭に着けて登場で、普段の狂言では
とても考えられない衣装ばかりです。
私が個人的に好きなのは、「正義(せいぎ)君」のまるでスーパーマンのような衣装。
あの格好で気弱そうに遠慮がちに登場する場面は見所だと思います。金髪の王妃と人形の
三人娘もお勧め。王妃の台詞、「男は戦争とXXXXが好き」がとても衝撃的でした・・・・。
このDVDは「唐相撲」と同様、狂言を知らない人でも充分に楽しめるでしょう。
しかし、確かに狂言口調で台詞は言っているものの、狂言・・・・と言われるとどうかなと。
確かに奇抜な衣装や普段の狂言にない演出で笑わせてはくれますが、私個人としては、
ちょっと狂言とはかけ離れ過ぎてしまったかな、と思います。