虚無僧尺八奏者の中村明一による尺八1、箏2のトリオKokoo(コクー)。これはファースト「ZOOM」に続くセカンド・アルバムで、Kokooとしては一番人気がある作品である。
ファーストもオリジナル曲をまじえて素晴らしい出来だったが、2枚目は完全なカバー作品で、それも中村が愛着を持つロックとその周辺へのオマージュが形になったもの。ファースト収録のクリムゾン「ムーンチャイルド」のカバーを、フル・アルバム・サイズに展開させた、といえるものだ。
このアルバム、選曲からして尋常ではない(ワルシャワの幻想、吹けよ風...)が、上野耕路、井上鑑ほかの手になる編曲を現実の音に変える3人の演奏もまた、尋常ではない。
中村の尺八は、倍音と音色を自在にあやつり、一人なのに何人にも聞こえる。箏も17・20弦を使い、音の推進力と重厚さはとても邦楽器だけのトリオとは思えない。
オリジナル曲を凌駕する瞬間も一度や二度ではない。というより、オリジナルに興味がなくても、この演奏なら何度でも聞いてしまうほどの中毒性を持つ、全ロックファンに推薦できる名盤なのである。形はカバー集だが、まったくのオリジナル・アルバムとして聞くのが正解と思う。全トラックどれも素晴らしいが、特に、最終曲の伊福部の「ゴジラ」のカバーは、ゴジラ全カバー中最高の出来と思えるほど素晴らしい。
Super Novaが気に入ったらZOOMも聞かれることを薦める。少しアバンギャルド寄りの、傾向は違うが、やはり甲乙つけがたい出来。