なかなか面白い本。但し、「本質主義」という訳語は、ちょっとわかりにくいかも。原語が「エッセンシャリズム essentialism」なので、間違いじゃないが、「本質を感じとる能力」といったところだろう。つまり、モノの外見とは別に、内なる本質があるとみる心理のことで、これは人間ならではの特性らしい。心理学的な本質主義については、海外での研究は盛んなようだが、わが国ではほとんど紹介されていなかったので、その発想が新鮮だ。
著者は原始古代の芸術から脳が生み出す無意識まで、これでもか、とスーパーセンスの事例や成り立ちを探っていて、これがけっこう勉強になる。だけれど、人間が生まれながらに超感覚的であるなら、なおさら科学によって啓蒙されなくてはならないのでは? 本書だって紛れもなくこうした啓発の書であるわけだが、サブタイトルの付け方(原著はWhy We Believe in the Unbelievableだ)など、誤解されなければよいがなぁ・・と感じた。