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主人公の生い立ちや、環境、嗜好が特異なものであるだけに読者がどれだけ感情移入できるかには疑問を抱かざるを得ないが、独特の雰囲気の漂う世界を楽しんで戴ければと思う。
設定は近未来なのだが、主人公を助けた友人がハッキングなどで生計を立てている下りは非常にSF的ではあるけれども、現在の延長でありむしろ凡庸だ。逆に主人公が口に糊するために働く職場である下水処理施設の描写が圧巻である。なぜにここまで、と言う感じの細かい描写は迫力があり、労働者階級という古びた表現がお似合いの職場として良く描かれている。そこにはすでに未来への悲観的なイメージが溢れていて、読んでいてゾクゾクする。
大友克洋にでも挿し絵を描いて貰いたい作品だ。
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