カート・ヴォネガット・ジュニア原作のものでは最高傑作のひとつ。
SFものという枠ではくくれない不思議な雰囲気を持った良作です。
グレン・グールド演奏によるバッハのピアノ協奏曲第5番を背に雪原から
主人公が現れる、映画史上に残る美しい導入部からお話が展開して行きます。
初見の方は説明もとくになくいきなり場面が変わっていくので
「話がよくわからない」と思われる方もおられるかもしれません。
トラルファマドール星人によって語られる死生観や、現代、または
第二次大戦中のドレスデンなど時空を飛び越えるビリーをなめらかな
編集によって違和感なく表現しているところなど、魅力的な要素が
たくさんあって、その魅力を一言で語り尽くすのは難しいのですが、
12モンキーズや
バタフライ・エフェクトが好きな方にお薦めしたい作品です。
特筆すべきは主人公の愛犬、スポット。太った奥さんに邪険にされながらも
ビリーに愛される仔犬時代、最終的に主人公と運命をともにすることになる
老犬時代と、それぞれの世代の犬によって演じられていますが、おじいさん犬の
足元がおぼつかない演技が素晴らしく、ともに老人になったビリーに抱きかかえられ
階段を昇って行く場面は涙を誘います。
DVDの画質・仕様に関してですが、PAL早回しの4%のスピードUP仕様となっています。
(103分→99分)先ほど挙げた冒頭のグールドのピアノもやはりピッチが早くなっています。
本当に残念。あと、価格も少々高いように思われます。
原題:"Slaughterhouse-Five" 1972年作品、99分(PAL変換により)。