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「大量殺戮を語る理性的な言葉など何ひとつない」
という作者の考えが根底にあるのか、時の流れの呪縛から解き放たれた主人公ビリー・ピルグリムが時空を飛び回り、作品自体も時空を飛び回り、メタ小説的な体裁をとる。
ただの空想と時間旅行の違いが曖昧になり、読んでいる自分もぶっ飛んでしまう。トラルファマドール的な時間認識においては、あらゆる時間はロッキー山脈を眺めるのと同様にひとコマひとコマながめる事ができる。そして人間の死というのは、ただ一瞬の出来事に過ぎず、別の時間ではその人は元気に生きている。死は悲しむべきことではない。結局戦争はとめられないし、これからも起こるのかもしれない。全てはもう決まっているのだ。このようなトラルファマドール的、四次元的な考えにおいては、戦争の悲惨さは、弱めて伝わってしまうのではないか、とも思ってしまうかもしれない。しかし、それはヴォネガット自身のシニカルなブラックユーモアであり、読んでみて考えることはたくさんあるはずだ。
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