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スローターハウス5 (ハヤカワ文庫 SF 302)
 
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スローターハウス5 (ハヤカワ文庫 SF 302) [文庫]

カート・ヴォネガット・ジュニア , 伊藤 典夫
5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (20件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

(裏表紙より) 時の流れの呪縛から解き放たれたビリー・ピルグリムは、自分の障害を未来から過去へと遡る、奇妙な時間旅行者になっていた大富豪の娘との幸福な結婚生活を送り・・・異星人に誘拐されてトラルファマドール星の動物園に収容され・・・やがては第二次大戦でドイツ軍の捕虜となり、連合軍によるドレスデン無差別爆撃を受けるビリー。時間の迷路の果てに彼が見たものは何か?現代アメリカ文学の旗手が描く不条理世界の俯瞰図

登録情報

  • 文庫: 267ページ
  • 出版社: 早川書房 (1978/12)
  • ISBN-10: 415010302X
  • ISBN-13: 978-4150103026
  • 発売日: 1978/12
  • 商品の寸法: 15.6 x 10.8 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (20件のカスタマーレビュー)
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By ともぱぱ 殿堂入りレビュアー トップ50レビュアー VINE™ メンバー
本作は60年代アメリカを代表する傑作小説。作者が第二次世界大戦で捕虜として体験した辛酸、そして味方である連合軍のドレスデン無差別爆撃に向き合う。しかし、戦争による暴力・破壊と死を前にしては、運命を受け入れざるをえないのだろう。そこで繰り返されるのが、有名な「そういうものだ」(So it goes.)。本書のこの言葉ほど、哀切でかつ諦念を感じさせる名文句はあるだろうか。主人公は時間旅行を繰り返し、自分を誘拐したトラルファマドール星人との交流を通じて、死者は現在具合の悪い状態にあるが、宇宙の破滅に至る時間の流れの中の他の多くの瞬間には良好な状態にあるのだという。人生の半ばを過ぎた(だろう)私も死を恐れずにすみそうである。考えてみれば、作者の死後もこうして著書を繰り返し読めるのも何とトラルファマドール的であることか。

宇宙人が地球に贈る新しい福音書等、作家キルゴア・トラウトのSF小説の粗筋が現実世界をおかしく風刺しており、小説中のミニ小説になっている点は前作「ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを」に共通する。そう、本作ではトラウトを始めとする過去の名作の登場人物(「母なる夜」のハワード・W・キャンベル・ジュニア等)が勢揃いするのが楽しい。

本作で涙が出るほど美しい場面は、主人公ビリーが深夜映画で空襲を逆向きに見る場面。火災が縮小して円筒形容器に収まり、回収・解体され、鉱物が地中深く埋められる。こんなに幻想的かつ感動的な反戦のメッセージを私は他に知らない。もっとも、本書は運命の受容に関する最良の処方箋であって、反戦が主眼の本ではないが。

最後に、他のレビュアーが指摘しているように、映画も隠れた傑作。グレン・グールドのバッハがこれほどぴったりの作品は他にない。それでは、プーティーウィッ?
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16 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
第二次世界大戦中に、作者自身が体験したドレスデン爆撃をもとに書かれた作品。

「大量殺戮を語る理性的な言葉など何ひとつない」

という作者の考えが根底にあるのか、時の流れの呪縛から解き放たれた主人公ビリー・ピルグリムが時空を飛び回り、作品自体も時空を飛び回り、メタ小説的な体裁をとる。
ただの空想と時間旅行の違いが曖昧になり、読んでいる自分もぶっ飛んでしまう。トラルファマドール的な時間認識においては、あらゆる時間はロッキー山脈を眺めるのと同様にひとコマひとコマながめる事ができる。そして人間の死というのは、ただ一瞬の出来事に過ぎず、別の時間ではその人は元気に生きている。死は悲しむべきことではない。結局戦争はとめられないし、これからも起こるのかもしれない。全てはもう決まっているのだ。このようなトラルファマドール的、四次元的な考えにおいては、戦争の悲惨さは、弱めて伝わってしまうのではないか、とも思ってしまうかもしれない。しかし、それはヴォネガット自身のシニカルなブラックユーモアであり、読んでみて考えることはたくさんあるはずだ。

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37 人中、33人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
4月11日、ヴォネガット氏が亡くなった。

高校生の時に買った本書を文字通りすり切れるほど

繰り返し読んでいる。

今でも将来を悲観したり、過去を振り返って己を嫌いに

なりそうなとき、本書を手に取りページをめくる。

数年前、本書の映画版をアメリカのCATVで見た。

グールドのバッハが聞こえたとき、涙がこぼれた。

ヴォネガット氏の訃報に接したとき、

全てのヴォネガット・ファンがこう思ったことだろう。

「さようなら。そしてこんにちは」
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最近のカスタマーレビュー
文学としても、SFとしても、エンターテイメントと面白い。
この小説の題名の『スローターハウス5』というのは、「第五屠殺場」という意味で、主人公のビリーがドイツ軍の捕虜として収容される所のことである。そして、また、作者のカ... 続きを読む
投稿日: 2か月前 投稿者: ファブロン
ぜんぜん面白いよ、これ
明らかに初期の村上春樹が影響を受けていそうな文体で、淡々と物語が進行する。... 続きを読む
投稿日: 6か月前 投稿者: MUU
言語表現できないことを書く
時間の流れから見ると無秩序に並べて短フレーズを繰り返すボネガットの独特の文体を楽しみつつ何故こんな文章なのか奇妙に思っていた。それは言語表現できない空襲体験をなん... 続きを読む
投稿日: 9か月前 投稿者: 819
変えることができない物事を受け入れる落ち着きと,変えることのできる物事を変える勇気と,その違いを見分ける知恵を授けたまえ
 ある作品によって,その作家のすべての作品に対する見方がガラリと変わってしまうということがあります。... 続きを読む
投稿日: 12か月前 投稿者: みやさま
ありがとうボネガット!!
岡本喜八監督の戦争映画「肉弾」は、
この本に共感を覚えて制作されたのでしょうか?
「そういうものだ」... 続きを読む
投稿日: 21か月前 投稿者: がい
スローターハウス5 - 繊細な小説でした
けいれん的な時間旅行をする兵士が体験した第二次世界大戦の物語。
構成や文章がとても繊細で、ガラス細工のような小説だと思いました。... 続きを読む
投稿日: 2009/5/10 投稿者: tobita byte
ヴォネガットの「諦観と人間観」
... 続きを読む
投稿日: 2008/5/27 投稿者: unbalance
映画も傑作です。
SFの形をとっていますが、無常観というか諸行無常、人生と人間のお話ですね。... 続きを読む
投稿日: 2007/4/20 投稿者: 29Q
名セリフ「そういうものだ」
聞き給え!

ビリー・ピルグリムは人生の真実を知ってしまった。

人生とは... 続きを読む
投稿日: 2007/2/4 投稿者: ゴルディアス
中期の集大成
彼独特の筆致で、シニカルにしかしメンタルに時代を超え、

世界を超えて展開されるストーリーです。... 続きを読む
投稿日: 2006/4/25 投稿者: Carouselambra
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