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登録情報

  • 出演: マルタン・ラサール, マリカ・グレーン
  • 監督: ロベール・ブレッソン
  • 形式: Black & White, Dolby
  • リージョンコード: リージョン2 (このDVDは、他の国では再生できない可能性があります。詳細についてはこちらをご覧ください DVDの仕様。)
  • 画面サイズ: 1.33:1
  • ディスク枚数: 1
  • 販売元: 紀伊國屋書店
  • DVD発売日: 2010/04/24
  • 時間: 72 分
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
  • ASIN: B0036SKQ02
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: DVD - 60,033位 (DVDのベストセラーを見る)
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商品の説明

内容紹介

純化された映画文体で魂の迷いと救済を描く

ロベール・ブレッソン監督が初めて同時代のパリを舞台にした作品。パリ市街でのロケーション撮影の臨場感は、同時代の青年映画運動ヌーヴェル・ヴァーグにも通じるが、計算された構図、抑制された視覚造形は、存在の神秘をほのめかす意思を感じさせる。
またスリの場面の目を欺く巧みな手さばきは驚異的だ。
撮影はレオンス=アンリ・ビュレル。美術はピエール・シャルボニエ。主題曲はリュリの歌劇『アマディス』プロローグ序曲(フェルナン・ウブラドゥス編)である。
ミシェルに扮するマルタン・ラサール(本名マルティーノ・ラサラ)はウルグアイ出身で当時、29歳。その後、メキシコで映画俳優となった。ジャンヌに扮するマリカ・グリーンはスウェーデン出身で当時16歳、当時パリ・オペラ座のダンサーだったが、これを機に映画女優となった。主任警部役のジャン・ペレグリは、アルジェリア出身の作家での文学教授。スリ役およびスリ技術指導のカッサジはチュニジア出身の元スリの有名な奇術師。道化師で後に映画監督となった奇才ピエール・エテックスもスリ役で登場する。

【収録】『ブレッソン・インタヴュー』(60年のTV番組“Cinpanorama”の抜粋。聞き手:フランソワ・シャレ、フランス・ロシュ6分)『《スリ》のモデルたち』(2003年。52分。監督バベット・マンゴルト)※16:9収録『カッサジ』(62年のTV番組“La Piste aux toiles”の抜粋。11分)、オリジナル予告編、フォトギャラリー【封入】解説ブックレット(執筆:細川晋)

内容(「キネマ旬報社」データベースより)

ロベール・ブレッソン監督が手掛けた犯罪ドラマ。孤独感に苛まれている貧しい学生・ミシェルは、スリに手を染めてしまう。一度は捕まったものの、そのスリルに魅せられた彼は釈放後もスリを続け、やがて組織的な犯行を重ねるようになるが…。

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By のじり トップ1000レビュアー
都市に住む青年の孤独の物語だ。

まず主人公のうつろな視線が印象的。登場人物は押しなべて表情が乏しく、物語も淡々と進む。
彼が次第に犯罪に走り深みにはまっていく姿が醸し出す孤独が凄い。彼の空虚な生活描写と独白にスリの驚異的な描写が交わり緊張感溢れるストイックな映画となっている。
理由や動機などの説明はない、社会に対する怒りのような彼の人生哲学が語られるのみだ。…彼はなぜここまで孤独になってしまうのか。数少なくとも友人は存在し、母の愛も受けていた様子なのに。

次第にスリが上達しスリの仲間も出来るが、そこにコミュニケーションの喜びはない。虚ろに寂しく一人で生きているだけだ。
犯罪で得た金を使って束の間の喜びを得た描写もない(字幕では『金と女に消えた』とあるが…。本当に楽しかったのだろうか…)。
映画のなかで、主人公は表情も変えず、生活には喜びもなく…そう考えると痛々しい。

ラスト、面会の場で少女と格子越しに触れ合う時に彼にかすかに安堵の表情が現れる。
彼の表情にあらわれる人間らしい感情…孤独に彩られたこの映画にふさわしいラストだ。

映像特典には、
公開当時のブレッソンインタヴューや2003現在の役者のインタヴュー、スリのシーンで驚異の手さばきを見せた奇術師のテレビショーの一部などがあり、なかなか興味深い。
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本物のリアリティを求め続けたロベール・ブレッソンの「抵抗」と並ぶ代表作です。
本物のスリを使ったというシーンは本物ですから見事な緊張感で、
その手さばきは芸術的です。
極端なドラマはありませんがそれゆえのリアルがあるのです。
映画好きならこれと抵抗は一見の価値ありです!!!
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学生の頃この映画を観て、いつもの映画とあまりに違うその肌触りに驚いたのを覚えている。そのなまなましさに。そのドキュメンタリーのような感触に。

久しぶりに再会した『スリ』は、やっぱり面白かった。かつて観てドキドキした迫真のスリシーンは、美しい手の運動であることに気づいた。手から手と手渡される財布や鞄や時計、その手の表情や動き、そのアクションがスリリングであり美しいのだ。

ロベール・ブレッソンの遺作となった『ラルジャン』は、金の交換によって人生の歯車を狂わされた男の物語だった。男は鉄格子越しに愛する妻に冷たくされ、別れを告げられた。しかし、この映画ではラスト、鉄格子越しに愛が交わされる。これまでまわり道をしてきたことを男は女に告げる。金やモノをポケットからポケットへ、手から手へと渡し続けることで、回り道をしてしまった男の人生。映画はそのまわり道を描く。

ルイ・マルの『鬼火』は死を間近にした男の自意識の映画だった。この『スリ』もまた自意識たっぷりの男の映画だ。男は手記のような言葉を書き連ね、モノローグとして語られる。「本作は刑事ものではない。スリという許されざる冒険に駆られてしまった若者の悪夢を映像と音で描こうとする試みである。」と冒頭で字幕が出る。

心を誰にも開かず、行為だけが描かれる。まさに冒険なのだ。『罪と罰』のラスコーリニコフのように「非凡な才能をもった人間は法を犯す自由が認められるべきだ」と自らの犯罪を刑事の前で正当化さえしようとする。病気の母を訪れても会おうとしない。彼が母の金を盗み、母が金を盗んだのは息子だとわかり、訴えを取り下げた話が挿入されるが、彼がなぜスリを犯すようになったのかは具体的には描かれない。彼のトラウマとなるような心理描写があるわけではない。ただ「スリ」という行為が描かれるだけだ。虚無的な行為を繰返す男。だから友達と女とデートをするも、まるで女に関心を示さない。関心があるのは、隣りの男の腕の高級腕時計だ。

競馬場で駅で地下鉄で、スリが繰返される。スリ仲間と組みながら巧みに手が動くさまをカメラは写し続ける。ただそれだけの映画ともいえる。男の視線は、人をとらえない。財布や腕時計などモノだけを見つめる。友にも女にも視線を向けない。視線は交わらないのだ。彼は「空=虚無」を見つめているかのようだ。自意識しかないのだ。それが最後、鉄格子の中でやっと女に視線を向ける。モノと手の動きを描き続け、最後にやっと視線が交わるのだ。

「私は物の映画と魂の映画をつくるつもりです。ですからひとは本質的に手とまなざしを見るでしょう。私は物のクロウス・アップとまなざしのクロウス・アップのあいだに、不変の平衡をもとめます。私はできるだけ現実につきまとい、なにもあたらしくそれにくわえないつもりです。しかし生活の現実と映画の現実のあいだには、一致したズレがあるでしょう。・・・私は「田舎司祭の日記」の方向にむかって仕事をしています。だがもっと大きな純粋さに、もっと大きな皮剥ぎに到達したいと思います。こんどは一人の職業俳優も使いません。そのほうが私はずっと自由です。」
(ロベール・ブレッソン 1956年トリュフォーのインタビュー)
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