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スリー・アゲーツ 三つの瑪瑙 (集英社文庫)
 
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スリー・アゲーツ 三つの瑪瑙 (集英社文庫) [文庫]

五條 瑛
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)

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第3回(2001年) 大藪春彦賞受賞

出版社/著者からの内容紹介

ソウルから日本へ、北朝鮮工作員・チョンが潜入した。その任務とは? 同じ頃、平壌から一組の母娘が中朝国境を目指していた……。第3回大藪春彦賞受賞の傑作。文庫書き下ろし特別短編も収録。

登録情報

  • 文庫: 744ページ
  • 出版社: 集英社 (2002/11/20)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 408747514X
  • ISBN-13: 978-4087475142
  • 発売日: 2002/11/20
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.6 x 3 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 234,378位 (本のベストセラーを見る)
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14 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 無音
形式:文庫
北朝鮮の拉致被害者問題が今のように声高に叫ばれる前に発表され、のちに大薮賞を受賞した、いわゆる「鉱物シリーズ」の2作目にあたります。

「プラチナ・ビーズ」の数カ月後なので、黒髪のフェロモンキングは海の向こうに行ってしまっていて、彼目当ての方には今回御期待に添えないでしょう。しかしなにより今作では葉山の目覚ましい成長ぶりが見られます。いい仕事をしています。…そして北と日本に2つの家族を持つ男の真実。謀略小説として素晴しい作品であるのは言うまでもありませんが、さらに家族とは、祖国とは、という精神性、人間性まで深く、しかし嫌味なく描かれているのはさすがの一言につきます。
私が読んだ頃は、北朝鮮の映像というとTVでは総書記の顔とマスゲームくらいしか見ませんでしたが、今は貧しい農村地区や中国との国境の川などもよく放映されるようになりました。この本の情景が、より眼に浮かびやすくなったと思います。

もしも「プラチナ・ビーズ」を手にとったなら「スリー・アゲーツ」もぜひ読んでほしい。むしろ「スリー・アゲーツ」を読むために「プラチナ・ビーズ」を読むのでもいい、とさえ思います。
そして早くシリーズ3作目「パーフェクト・クォーツ」が世に出ることを切に望みます。

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4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
シリーズ1作目「プラチナビーズ」は、登場人物のキャラが先にきて、物語がそのキャラにがんばって沿っている感じがして、さらに「え?本当に情報扱うプロがそんなこともわからないのか?」という部分もありましたが、この本はそういう部分がほとんど払拭されていました。

ひとりの男をはさんだ2つの家族、それを囲むいわゆる情報部関係者の思惑と見えない戦いが繰り広げられますが、いわゆるスパイ物語というよりは、人間の持つ複雑さや、無意識のうちに自分を支配している国や文化、習慣などの大きさを描いているように思いました。

中心にいるチャンが、いかに誠実で人間的に良い人格を持っていたとしても、彼が行ったものとその結果は、素晴らしいものでも明るいものでもなく、結局は人を利用し殺し、その幸福を踏みにじるものであるという悲劇が淡々と描かれていました。

何も知らずに犠牲になるのはいつも子供ですが、この話しの中では、かつて自分もその犠牲となった葉山が、想いをこめて彼らに語りかけ、手をさしのべています。

彼らの未来は決して明るいものではありませんが、希望がないわけではないのだ。

そういうふうに我々に思わせるEDは、感動的でした。
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工作員も人間 2006/12/3
By Tochitli トップ500レビュアー
形式:文庫
工作員はもう人間らしさをすべて捨ててしまっているのかと思っていた。でもこの本に出てくるエージェントたちは皆とても人間臭い。

チョンも、スーパーKを持ち込み経済をかく乱させようとする行為など、一面は厭うべき工作員ではあるが、家族を愛し、自分の責務を全うしようとする、そんなところに悲しさを感じた。

今この小説に描かれた国の様々な問題が指摘されている。

しかしその国に住む人がこのようにやりきれない思いをしているという事を読むと、この国の人を怨んだり、憎んだりするのではなく、この国の人も幸せになってほしいと思った。

チョンが決して祖国を嫌いではなく(むしろ好き)、工作員としての許されざる行為も全て家族への愛によるものだというところが涙をさそう。

作者の綿密な調査と知識、そして語り口によってぐんぐん惹きこまれてしまった。
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