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スラムオンライン (ハヤカワ文庫 JA (800))
 
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スラムオンライン (ハヤカワ文庫 JA (800)) [文庫]

桜坂 洋 , toi8
5つ星のうち 4.1  レビューをすべて見る (13件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

Aボタンをクリック。ぼくはテツオになる―現実への違和感を抱えた大学1年の坂上悦郎は、オンライン対戦格闘ゲーム“バーサス・タウン”のカラテ使い・テツオとして、最強の格闘家をめざしていた。大学で知りあった布美子との仲は進展せず、無敵と噂される辻斬りジャックの探索に明け暮れる日々。リアルとバーチャルの狭間で揺れる悦郎は、ついに最強の敵と対峙するが…。新鋭が描くポリゴンとテクスチャの青春小説。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

桜坂 洋
1970年生まれ。システムコンサルタント業の傍ら、第2回スーパーダッシュ小説新人賞最終候補作『よくわかる現代魔法』で、2003年に作家デビュー。コンピュータプログラムに魔法の概念を導入した本シリーズで、一躍人気作家となる。また、2004年発表の短篇「さいたまチェーンソー少女」で第16回SFマガジン読者賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 268ページ
  • 出版社: 早川書房 (2005/6/9)
  • ISBN-10: 4150308004
  • ISBN-13: 978-4150308001
  • 発売日: 2005/6/9
  • 商品の寸法: 15 x 11 x 1.5 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.1  レビューをすべて見る (13件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 306,883位 (本のベストセラーを見る)
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10 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
ミもフタもない書き方をすると、そういう小説です。舞台の半分は
「バーサス・タウン」というオンライン3D格闘ゲームのなか。主人公は
そのゲームにはまっている大学生で、かなりの腕前のプレイヤーです。
彼が「辻斬りジャック」という謎の凄腕プレイヤーの噂を聞いて、興味
を持つところから物語は始まります。

ネット上でバトルして買ったり負けたり、情報収集しながらジャックの
正体に迫っていくのがいわばオンラインパート。それだけでは味気ない
と思ったのか、同時進行で現実世界での主人公とヒロインの不器用な
恋愛を描いています。こっちがオフラインパートですな。

オンラインパートではとにかくこのゲームが魅力的に描かれていてよい
です。対戦中の描写など、ゲーム雑誌の攻略記事を読んでる時のように
脳内に画面が浮かんでくるかのよう。特にクライマックスの対戦シーン
では、それまでの細かい描写がまるで伏線のように生かされて、ゲーム
システムの限界に挑むかのような熱戦が展開します。センスオブワンダ
ーです。かっこいいです。

そしてプレイヤーの描写がいい。ゲーム好きなら一度は自問自答する
「なぜゲームをやるのか?」という問いに作者なりの答えがきちんと
示されています。それは読んでのお楽しみですが、一人のゲーム好きと
しての考えを代弁してもらったような気になりましたよ。
格ゲーを知らなくても、ゲーム好きなら楽しめる小説だと思います。
ゲームを知らない人はゲームをやってから読むか、眼鏡っ子ヒロイン
萌えの恋愛小説として読んで見るのもいいんじゃないでしょうか。

このレビューは参考になりましたか?
6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By At.N.
形式:文庫
オンラインゲームが舞台。のめり込んだあげくに現実の生活を壊した友人のくだりなんてのもあって現実味のある設定。

しかし作中で語られるゲームの内容が、現実で流行っているようなパーティを集めて経験値を稼ぎ使用キャラクターの数値を育てる RPG ではなく、プレイヤーの正確な操作と反応速度と先読みが全てのリアルタイム対戦。そのせいか作中世界には、むしろ現実のゲームセンターに近い空気が流れる。

習熟しても何の得になるわけでもない単なる仮想環境の中で、楽しみとして遊ぶわけでもなく、自分の考える高みを目指さざるを得なかったどうしようもない連中それぞれの顛末が語られてゆく。
誰よりも高い点数を叩き出す、誰よりも深くシステムを読む、そしてゲームの上で誰よりも強くなる……はたから見れば理解できないであろう気分をかいま見たい方はどうぞ。

そしてもちろん、かつて実際に挑んだことのある人や、今実際に戦ってる人にも。

このレビューは参考になりましたか?
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 木卯
形式:文庫
僕はこの作品が無性に好きです。
この作品こそ、桜坂洋の最高傑作なんじゃないかと思っているくらい。
物語は淡々としていて、確かに盛り上がりに欠ける。
だがそれは作者の狙い通りなのです。
出版社もその淡々をよく理解している。
絵師のtoi8はこの作品に先んじて、押井守の『アヴァロン』の挿絵を書いている。
押井守のアバロンを夭折のSF作家伊藤計劃は「ずっと沈んでいくような」作品だと述べていました。
スラムオンラインもまた沈んでゆくような、そんな作品でした。
アバロンでもスラムオンラインでも、主人公は感情の起伏を極端なまでに平板にし、
じっと目に写るものを説明し続ける。
なんとも言えず淡々としている。
間違いなくtoi8の起用は、様々な共通点を意識した結果のことだったはずです。
そして、桜坂洋は伊藤計劃の『虐殺機関』に向けて、こんなコメントを発している。
「僕の書きたかったものが全て詰まっている」と。
『虐殺機関』は未来の管理社会を描いた作品で、主人公は洗脳されていて一切の感情を消されている。
そうして感情を消された主人公が“淡々と一人称で語り続ける”。
これは偶然でしょうか。
僕は勘繰ってしまいました。
兎にも角にも、この作品には桜坂洋の「書きたい」と言う衝動が溢れているように感じました。
キャラクターが薄くて淡々としたストーリーですが、
SF好きは是非とも近代作家の連関を繋ぐ作品として目を通して置くべき作品だと思います。
ちなみに短編として北海道に行った友達の話が存在しますが、蛇足だから読まない方が良いです。
押井守のアバロンも続編みたいなのが出てますが評判悪いです。
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