登録情報
|
ネット上でバトルして買ったり負けたり、情報収集しながらジャックの
正体に迫っていくのがいわばオンラインパート。それだけでは味気ない
と思ったのか、同時進行で現実世界での主人公とヒロインの不器用な
恋愛を描いています。こっちがオフラインパートですな。
オンラインパートではとにかくこのゲームが魅力的に描かれていてよい
です。対戦中の描写など、ゲーム雑誌の攻略記事を読んでる時のように
脳内に画面が浮かんでくるかのよう。特にクライマックスの対戦シーン
では、それまでの細かい描写がまるで伏線のように生かされて、ゲーム
システムの限界に挑むかのような熱戦が展開します。センスオブワンダ
ーです。かっこいいです。
そしてプレイヤーの描写がいい。ゲーム好きなら一度は自問自答する
「なぜゲームをやるのか?」という問いに作者なりの答えがきちんと
示されています。それは読んでのお楽しみですが、一人のゲーム好きと
しての考えを代弁してもらったような気になりましたよ。
格ゲーを知らなくても、ゲーム好きなら楽しめる小説だと思います。
ゲームを知らない人はゲームをやってから読むか、眼鏡っ子ヒロイン
萌えの恋愛小説として読んで見るのもいいんじゃないでしょうか。
しかし作中で語られるゲームの内容が、現実で流行っているようなパーティを集めて経験値を稼ぎ使用キャラクターの数値を育てる RPG ではなく、プレイヤーの正確な操作と反応速度と先読みが全てのリアルタイム対戦。そのせいか作中世界には、むしろ現実のゲームセンターに近い空気が流れる。
習熟しても何の得になるわけでもない単なる仮想環境の中で、楽しみとして遊ぶわけでもなく、自分の考える高みを目指さざるを得なかったどうしようもない連中それぞれの顛末が語られてゆく。
誰よりも高い点数を叩き出す、誰よりも深くシステムを読む、そしてゲームの上で誰よりも強くなる……はたから見れば理解できないであろう気分をかいま見たい方はどうぞ。
そしてもちろん、かつて実際に挑んだことのある人や、今実際に戦ってる人にも。
|
この商品のクチコミ一覧
クチコミを検索
|
関連するクチコミ一覧
|
|
|
|