原油高による光熱費の上昇を背景に、高気密・高断熱住宅の省エネ性をアピールする住宅
メーカー/工務店は今後ますます増えるだろう。
しかし、高気密・高断熱住宅の省エネ性は、必ずしも快適性を保証しない。
100%完璧な理想的な工法はありえないから、設計に当たっては、工法ごとの長所を生かし、
短所をカバーする工夫はやはり必要である。
特定の工法(あるいは住宅メーカー)をいたずらに賞賛し、あたかもその工法でなければ
「いい家」は建てられないかのような不公平な叙述に終始する本は多い。
本書はそのテの宣伝本や御用本ではなく、高気密・高断熱住宅の一般的な考え方を丁寧に
説き、長所と短所を公平に明示している。そして、高気密・高断熱住宅を快適なものにす
るためには、工法だけでなく換気や冷暖房も視野におき総合的に計画する必要があると説
く。
著者はこれ以上分かりやすい本はないと自賛するが、その言葉にウソはない。基礎知識が
なくとも、最低限必要な知識を初歩から体系的・網羅的に学ぶことができる。
高気密・高断熱住宅を建てよう・建てたいと考えている施主には、設計士・営業マンと
コミュニケーションする前に、この本でしっかりと勉強されることを強くおすすめする。
自分の家(の設計)をしっかりと理解するためのよきアドバイザーとなると思う。