「音楽は国境を越える」とはよく言ったもので、名演・名盤の生まれる背景に国境や国籍は関係ない。しかし、この曲について言えばチェコの指揮者・チェコのオーケストラ以上の組み合わせというのはなかなか見つけることができない。やはり「真摯な思いが名演を生み出す」ということなのだろう。
この曲の歴史的な名盤としては、ヴァーツラフ・ターリヒやカレル・アンチェルのものがあげられる。それぞれSP・LP時代の名演だが、おそらくこれらに伍すほどの名演として数えられるのが、このスメターチェクによるものだろう。
演奏はさきに挙げた2つよりも多少勢いを押さえている感があるが、スメターチェクのものは各フレーズの唄い方・押さえ方が絶妙で、表現の細かさでは群を抜いている。その表現に対する気配りが冒頭部から最後まで一貫されていて、他に類を見ない全6曲のまとまりの良さを作りあげているのも、また凄い。