とてつもなく豪快で、キャッチーで、それでいて今鳴るのにふさわしい、明確な傑作である。
東京事変2年半ぶりのアルバム「スポーツ」。
まず、タイトルに偽りなし。
全編を通してとても躍動感に満ち溢れた、バッキバキのロック・アルバムに仕上がっている。テンポも早め。
前作「娯楽」で得たバンド感をそのまま応用している感じもあり、
言ってみればあの作品を更にタフに、正しく研ぎ澄まして構築し直したのがこの「スポーツ」といっても過言ではないと思う。
また椎名林檎としてここまでロックに傾倒したアルバムも久々なのでは、と思う。
事実聴いている最中、ロックモードへの回帰というか攻めというか、そういったものを強く感じて長年のリスナーとして嬉しくなった。
とても頼れる歌、そして頼れるバンド・サウンドが大いに鳴っている。
今この国でロックが好きならば、是非。とでも言いたい出来です。
それにしても改めて一曲一曲が良い。
壮大に始まったかと思えば次々と違う表情を見せる変化球「生きる」から超ファンキーなリード曲「能動的三分間」、
言葉選びと掛け合いがひたすらに気持ち良い「電波通信」、ストレートに良い曲!な「シーズンサヨナラ」「乗り気」「閃光少女」、
シンメトリーになっている「FOUL」「FAIR」の構成も面白いし、最後の「極まる」で再びディープな音像へ回帰していく終わり際も最高。
と、即効性に富んだ良曲名曲の連発なんだけど、
間間に「雨天決行」「スイートスポット」等攻め気味なアルバムに対するアクセントのような楽曲が置かれているのもぬかりがない。
正にプロフェッショナルなメンバーが集まったからこその、プロフェッショナルな音楽。
存分に堪能させてもらった。いい音楽を聴いた。
それにしても新人バンドです!と言わんばかりの、初期衝動的なエネルギーも宿っているのが更に凄い。 完全に大人になっていない。
それは遊び心のあるブックレットからも伝わる。
ある意味最高作じゃないでしょうか。