はるか、はるか、はるか昔の銀河系のどこかで…。スペースボール星の
スクルーブ大統領(メル・ブルックス)は、酸素が豊富なドルイデア星に目
を付ける。早速、スペースボール軍のダーク・ヘルメット(リック・モラニス)
の指揮下、ヴェスパ姫(ダフネ・ズニーガ)を誘拐し、ドルイデア王(ディック・
ヴァン・パタン)を脅迫して、酸素を奪う計画が実行に移される。王はすっ
かり取り乱し、宇宙の一匹狼ローン・スター(ビル・プルマン)と相棒の半
犬人バーフ(ジョン・キャンディ)に、娘の救出を依頼するが…。
パロディの大家、メル・ブルックスによる『
スター・ウォーズ オリジナル・トリロジー ブルーレイBOX [Blu-ray]』
を基にしたパロディ作品。VFX場面の大半を元ILMのジョン・ダイクストラ、
エイリアン・ベビーの製作をILMが担当するなど、本家シリーズのスタッフ
を起用したり…と、ブルックスの熱いパロディ精神は本作でも健在である。
作中で、ブルックス演じる仙人ヨーグルトが、映画のシリーズ化やマー
チャン(商品化)を茶化しているが、何と、本作公開から約20年後には、ア
ニメ・シリーズ化もされたというから、まさにウソから出たマコト。
70年代に、傑作、秀作パロディ作品を作って来たブルックスが、80年代
にパロディの肴にしたのが、当時のハリウッドを席巻していたVFX満載
のSFだというあたりに、時代と流行に敏感なブルックスの鋭い嗅覚を感
じさせる。ただ、いつもながらの馬鹿げたギャグとユーモアがちりばめら
れ、出演陣たち(特にリック・モラニス)も賑やかで、実に楽しそうに演じ
てはいるが、70年代の作品群に比べて、パロディとしての洗練さや粋が
あまり感じられないのも事実。70年代のブルックス常連組(ジーン・ワイ
ルダー、マーティ・フェルドマン、マデリン・カーンなど)が出ていないせ
いか、それともブルックスの演出力が衰えたのか…。
いずれにせよ、90年代のパロディ作品『ロビン・フッド /キング・オブ・タイ
ツ』の不出来ぶりを考えると、事実上、ブルックスが最後に放ったパロディ
作品の(完全に満足できるわけではないものの)快作ということになるだ
ろう。
本Blu-rayは、時代を考えると、発色、ディテールともに及第点の画質。音
声(TV放映用日本語吹替収録)も問題なし。ただ、DVD時代から、製品化
に力を入れていないMGM/UAらしく(日本では20世紀フォックス)、DVDに
収録されていた特典映像(コメンタリー、メイキング)をバッサリ削除すると
いう言語道断の作り。代わりに、「30秒でわかる『スペースボール』」(シャ
レとしてはわかるが)、スチル・ギャラリー、予告編集(特報と本予告)が、
新規の特典として収められているが、あまりに貧弱な内容と言わざるを
得ない。よって、星3つの評価。