たまたまネット上で、紹介を見かけ、その執筆イラストレーターの豪華さに惹かれ注文。
本書は、有名な種々のファンタジー・ロール・プレイング・ゲームの「魔法」を具体的に解説し、系統化しようと試みた物で、
「TRPG」という言葉に反応してしまう人には懐かしい、富士見ドラゴンブック・シリーズの一冊である。
個人的には、今更「TRPG」と言っても、プレイする時間も面子も揃う訳もないので、
本文の内容はどうでもよく、完全に掲載イラスト目的で購入。
執筆イラストレーターには、天野喜孝、米田仁士、横山宏、そして末弥純、とまさに日本のファンタジー〜SFの
挿絵、イラストの黄金期を築いた面々が一堂に会する、現在では中々考えがたい構成。
他にも、佐竹美保、三好道夫両氏のイラストも掲載。私は両氏の事を不勉強にて知らなかったが、
とりわけ三好氏の作風は、ファイティング・ファンタジーやウォーハンマー等の、いわゆる社会思想社系の、
アメリカ産ファンタジーRPGイラスト直系を思わせる物で、時代性も感じられ、興味深い。
表紙カバーのカラーイラストは天野喜孝(だからかは分からないがモノクロ挿絵は少なめ。)、
冒頭の口絵4ページには米田仁士のカラーを掲載している。それ以外は上記6名のモノクロ画。
しかし、個人的な好み、贔屓目は多分にあるかとは思うが、本書の中でも末弥純のモノクロ・イラストの
圧倒的な迫力、表現力、描写力の凄まじさたるや!小さな文庫サイズのイラストではあるが、
間違いなく末弥純自身も絶頂期であったろう事を感じさせる、筆致の冴えを、なかなかに堪能出来る。
評価としては星4つ。何故なら完全に、どうしたって懐古好きのマニア向け、「D&D」、「T&T」という
略語が何を表すか知らない人には、全く以って用事の無い一冊であろう、特に今となっては。
ただ、昨今「RPG」関連の書籍やらを買おうにも、「おっぱいぷるんぷるん」で「パンツモロチラ」な
エロ漫画と見紛うようなカバーの書籍を、レジまで持って行かねばならない潮流に辟易しているような、
私と同じ気持ちを抱いている同好の諸兄には、ちょっとオススメしたい一冊である。