日本推理作家協会が、1970年以来、毎年刊行している『推理小説代表作選集(ザ・ベスト・ミステリーズ)』の中から、年代を十年ごとに分けて、編者がいくつかの短篇をセレクトするというシリーズ。東野圭吾がブレンダーを務めた第1弾に続いて、本書、第2弾で選者ならびに案内役を務めるのは、宮部みゆき。1971年、1981年、1991年刊行の上記選集の中から、「現代社会の世相や問題と、くっきりと太い線で結びついている作品」というコンセプトのもとに選ばれた七つのミステリー短篇が収められています。
1971年(昭和46年)からは、生島治郎の「男一匹」、森村誠一の「企業特訓殺人事件」、小松左京の「闇の中の子供」。1981年(昭和56年)からは、佐野洋の「暗い窓」、都筑道夫の「首くくりの木」。1991年(平成3年)からは、原 寮(ウかんむりのない文字)の「歩道橋の男」、夏樹静子の「酷い(ひどい)天罰」。
各年代の頭に置かれた「選者のひとこと」が、とても読みごたえ、ありましたねぇ。それぞれの短篇の魅力の芯になっているものを的確に案内するのと同時に、その年の世相を振り返らせてくれる書きっぷり。レイディー宮部の心憎いばかりのミステリー・ガイドに、拍手〜(パチパチパチ♪)
粒ぞろいの作品の中でも、森村誠一と原 寮の作品に引き込まれましたね。「企業特訓殺人事件」の、今に通じるシニカルな味。「歩道橋の男」の、18歳の少年キャラの存在感が強烈だったこと。それぞれに魅力的で、読みごたえあるなあと。