スペシャルティ・コーヒーとは、一定以上の品質があると言うだけでなく、農園・品種・栽培法・精製法などを特定した、信頼できる生産者による特別に優れたコーヒー豆である。
ワインの世界では、ヨーロッパを中心に「ワイン法」が制定され、ぶどう品種や単位面積あたりの収穫量、醸造法、アルコール度数などが決められていて、地方・地区・村と範囲が狭くなるほど厳しい統制があり、シャトーまたはドメーヌと呼ばれる醸造家によって価格に大きな開きがあるのはよく知られている。
しかし、同じ嗜好品であるコーヒーでは、サントス・コロンビア・キリマンジャロなど、国名または積出港の名前と、AA, SHBなどのランク付けがあるだけで、同じ「コロンビア」でも、香味や鮮度、品質にかなりむらがあった。
2000年頃から、高品質なコーヒーが売り物のスターバックスの躍進もあり、スペシャルティ・コーヒーを求める消費者の声もあり、日本ではこの本の著者である堀口氏が主催する@堀口珈琲研究所が、産地での栽培の指導、買い付けから、日本での焙煎業者・販売業者への教育まで行い、その中心的役割を果たしている。
本書は堀口氏、珈琲研究所、スペシャルティーコーヒー協会(SCAAのこれまでの活動記録が中心で、また、ワープロの変換ミスなど未修整の部分も結構あり、研究所またはSCAA(協会)の社史または団体史の感じが強く、珈琲を商売にしている人には示唆に富んだ書と思うが、一般のコーヒー好きの人が読んでも余りうるところはないと思う。