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スペクタクルの社会 (ちくま学芸文庫)
 
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スペクタクルの社会 (ちくま学芸文庫) [文庫]

ギー ドゥボール , Guy Debord , 木下 誠
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (1 カスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

「フィルムはない。映画は死んだ」と言ってのけるドゥボールにかかっては、あのゴダールさえ小市民的に見えてしまう。芸術に限らず、思想も政治も経済も、「専門家」に任せきりで、鷹揚にお手並拝見と構えているうちに、いやおうなく「観客」であるしかないどころか、大仕掛けな茶番劇のエキストラに動員されてしまいかねない。こんな世界のありようと疎外感の大元を、本書は徹底的に腑分けしてくれる。ほんとうに「何一つ欠けるところのない本」だ。マルクスの転用から始まるこの本は今日、依然として一個のスキャンダル、飽くなき異義申立てと「状況の構築」のための道具であり、武器であることをやめていない。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

ドゥボール,ギー
1931‐94年。フランスの映画作家・革命思想家。57年、シチュアシオニスト・インタナショナル(SI)を結成、67年の『スペクタクルの社会』刊行により68年「五月革命」の先駆者と目される。72年のSI解散後は、イタリア・スペインの革命運動と関わりつつ映画製作・著作活動を行うが、病を得て自殺

木下 誠
1956年鳥取県生れ。神戸商科大学教授。フランス文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 282ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2003/01)
  • ISBN-10: 4480087354
  • ISBN-13: 978-4480087355
  • 発売日: 2003/01
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.4 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (1 カスタマーレビュー)
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24 人中、19人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By dvrm トップ100レビュアー
形式:文庫
フランスの革命思想家・映画作家が1967年に出版した書物。

まず最初に、この本はレビューという行為を拒む一冊だ。221のテーゼでまとめられた本書を読んで「凄い! カッコいい!」と思って賞賛し、ほめ言葉を送っているだけだと、「プロ・シチュ」と何も変わらない。この本は、読んだ後に実践を要求する、そこでこの書が完結する。だから、レビューを書いて、素晴らしい、というだけの立場はこの書物自体に弾劾される。そうなると、本書は実践されるか、無視されるかになってしまう。きっと、こういう本は各自が何かの縁で出会い、発見されていくものなのだろう。現在のメディアでは、最も流通されにくい類の本なのだろう。私の場合は知り合いの書棚にあって借りて読んだのだが、そんなことでもないと出会わない本なのではないか。しかし、この本の内容を考えると、今の世界で無視されるにはあまりにももったいない書なので、「プロ・シチュ」に堕したとしてもここに書いておきます。

 形式に就いては、全体で9つの章に分かれ、全部で221のアフォリズム形式の「テーゼ」によって形成されている。巻末に訳者解題、書誌、ギー・ドゥボール略年譜が付いている。本文において著者は、マルクスをはじめとした批判理論を転用し、著者が「スペクタクル」と名づけた現象を浮かび上がらせる。ある程度文体は抽象的だが、「ソーカル事件」で指摘・風刺されたような空虚な言説ではない。中でもマルクスから継承した、歴史の主体としての人間という自己規定がスペクタクルの社会を相対化する基盤を与える、とする認識は、私たちが奪われ続けている、世界に対する立場を思い出させてくれるものだ。その内容は2007年の我々にとって、例えば10年前よりはるかに解りやすさ、現実味を増している。これほど、今見えている世界と齟齬のない批判理論を読んだことがない。そして、訳者解題にあるように、本書の理論は実践された。

危険で啓蒙的な内容を、40年経っても少しも損ねていない一冊。
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