登録情報
|
おすすめは、それぞれの研究者の方が書かれたコラムです。
スペイン史を研究しようと思っている方にとっては、よい手引書ともなるでしょう。
最新の研究成果と今後の研究課題が見つかるかもしれません。
もちろんスペインの歴史に興味のある方にも一読の価値があると思います。
山川出版社の『スペイン・ポルトガル史』のような巻末の充実さはありませんが、
この『スペインの歴史』と『スペイン・ポルトガル史』のどちらを買うか、迷うところです。
値段とコラム、スマートさで前者、
巻末、図表の充実度、ポルトガル史にも興味のある方には後者といったところでしょうか。
大学の先生方の書いた本にしては文章が比較的読みやすいなというのが第一の感想でした。決して学究の徒向けのアカデミズムにあふれた本というつくりではなく、一般の読者がスペイン史を一通り眺め渡すにも適当な一冊であると思います。
また、コラム的に差し挟まれている小論の数々を大変興味深く感じながら読みました。「地方分権と言語政策」や「スペイン王国の構造」などテーマを替えて、高校の歴史教科書には書かれていないような、一歩踏み込んだスペインの社会・文化背景を見せてくれます。
スペインはまもなく(2004年3月)総選挙を迎えます。社会労働党の長期政権を96年に打ち破って国の舵を取ることになったアスナール(本書ではアスナルと表記されています)首相が2期8年の任期を区切りに首相の座を去ることを既に表明しています。
春からスペインを引っ張るのは国民党の新しい党首なのか、それとも社会労働党が政権の座を奪い返すのか。選挙の前に本書に目を通しておくのも一興かもしれません。
|
|
|