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スプーンと元素周期表: 「最も簡潔な人類史」への手引き
 
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スプーンと元素周期表: 「最も簡潔な人類史」への手引き [単行本]

サム キーン , Sam Kean , 松井 信彦
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

壮大な歴史絵巻ももとは電子の席取り合戦から!?化学と元素周期表に萌えるひと必読!全米ベストセラーにもなった出色のポピュラー・サイエンス。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

キーン,サム
ワシントン州在住のサイエンス・ライター。「ニューヨーク・タイムズ・マガジン」「ニュー・サイエンティスト」などの各誌に寄稿する

松井 信彦
翻訳家。1962年生。慶應義塾大学大学院理工学研究科電気工学専攻前期博士課程(修士課程)修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 446ページ
  • 出版社: 早川書房 (2011/6/23)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4152092211
  • ISBN-13: 978-4152092212
  • 発売日: 2011/6/23
  • 商品の寸法: 19.2 x 14 x 3.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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21 人中、20人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By naichi トップ500レビュアー
科学が好きという人に出くわすことは、少なからずある。しかし、一口に科学と言っても、その範囲は広い。学校で習った範疇だけでも、物理、化学、生物、地学とあるし、書籍のジャンルにおいても、量子力学、宇宙学、地層学、進化論、遺伝子、認知科学と実にさまざまだ。

その中でも、化学が好きという人には、めったにお目にかかることがない。自分自身のの経験を振り返っても、「水平リーベ僕の船・・・」に始める元素周期表や、モル計算には、壮大さやロマンを感じることはなかった。

本書は、そんな化学の暗いイメージを払拭してくれる有り難い一冊。元素周期表をインデックス代わりに、人類史を読み解くという試みなのだ。化学がいかに社会に密接に関係したサイエンスであるかを、エキサイティングに紹介している。

◆本書の目次
第1部 オリエンテーション − 行ごとに、列ごとに
第1章 位置こそさだめ
第2章 双子もどきと一族の厄介者 − 元素の系統学
第3章 周期表のガラパゴス諸島

第二部 原子をつくる、原子を壊す
第4章 原子はどこでつかれられるのか − 「私たちはみんな星くず」
第5章 戦時の元素
第6章 表の仕上げ・・・・・・と爆発
第7章 表の拡張、冷戦の拡大

第三部 臭気をもって現れる混乱 − 複雑性の出現
第8章  物理学から生物学
第9章  毒の回廊 − 「イタイ、イタイ」
第10章 元素を二種類服んで、しばらく様子を見ましょう
第11章 元素のだまし手口

第四部 元素に見る人の性
第12章 政治と元素
第13章 貨幣と元素
第14章 芸術と元素

第五部 元素の科学、今日とこれから
第16章 零下はるかでの化学
第17章 究極の球体 − 泡の科学
第18章 あきれる精度を持つ道具
第19章 周期表を重ねる(延ばす)

科学系の読み物で、読んでいて面白いと思うのは、特定分野に閉じたものというより、突き詰めていったその先が、他の分野と密接に交わりあうようなものであることが多い。例えば、進化論が宗教と密接に結びつくような話、地質学の中に太古の歴史を見出す話、あるいはロボット工学の中で、人の意識や知性と結び付くような話も、その類であるだろう。

本書の内容も、そんな例にもれない。「周期表は人類学の奇跡」とまで言う著者の手によって、周期表の中に、詐欺、爆弾、通貨、錬金術、政治、歴史、毒、犯罪、愛までが見出だされている。

そもそも、この元素周期表、設立に至るまでの最大の立役者は、本書の表紙も飾っているメンデレーエフという人物である。メンデレーエフは生涯を通して、元素の感触や臭い、その反応についての深い知識を得ていた。また、表の改訂を執拗に繰り返しており、常に自室で化学版ソリティアにふけっていたという。そして、何より重要だったのは、表でまだ元素が見つかっていないところを空欄とし、新しい元素の発見を予言したということにある。

元素周期表の配置には、もちろん意味がある。各元素は、概ね左隣の元素より電子を一個余計に持っているほか、縦列は似たような系統のものが並んでいる。一番右側の列をなす元素は、希ガス。その隣には、ハロゲンと総称される反応性の高い気体。一番左端は、最も過激な元素アルカリ金属と言った感じである。ちなみに、右半分の中央下あたり、ここが毒の回廊の中心部だ。カドミウム、その一つ下には水銀、そのまた右にあるタリウム、鉛、ポロニウム。周期表は、数々の高揚の瞬間を演出するばかりではなく、人間の最も醜く残虐な本能にも訴えてきたのである。

強国の蹂躙が科学をもゆがめうることは、二十世紀には最高の史実が揃っている。第一次世界大戦が始まると、ドイツ軍はユダヤ人のハーバーを毒ガス戦部門に起用した。臭素や塩素を使った研究をしていたハーバーは、ツィクロンAを開発し、効率の良い第二世代ガスを開発した。後にナチスが実験を握ると、ユダヤ人のハーバーは追放されるのだが、彼の研究成果は、何百万というハーバーの同胞に使用されてしまうのである。

また、昨今すっかりイメージの悪くなった放射性物質の話題にもことかかない。ウランという最も重い天然元素に関する研究でノーベル賞を受賞したキュリー夫人は、ウラン精錬する実験をしたのち、残った廃物からウランより圧倒的に強い放射能を持つ未知の元素を発見する。ポーランド人であった彼女は、当時存在しなかった祖国の名にちなみポロニウムと名付けたのである。しかし、彼女の思惑には沿わず、世間の注目は彼女の下世話な私生活ネタにばかり注目が集まってしまったそうではあるが。

本書を読むと、化学は覚えるものではなく、理解するものだということがよくわかる。そして化学と他のジャンルが交錯するポイントでは、常に予想もつかない化学反応が起こっている。少なくとも元素を取り扱う領域のステークスホルダーは、すべからく先人たちの教訓を踏まえ、畏敬の念を持って、判断にあたるべきであろう。
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9 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By リヒテンシュタイン VINE™ メンバー
個人的に学生時代の苦手科目は化学でした。苦手科目の原因の1つは元素の周期表を覚えるのが面倒くさかった。この本でも、まずは最初にお決まりの元素の周期表。「やれやれ」と思いつつ読み進めていくと、おや?そして気が付くと読み終えていました。化学が好きでもない自分が?それは、この本が堅苦しい化学と元素の周期表だけの内容では無く、元素の周期表を使って歴史、言語、毒、犯罪、発明、詐欺、爆弾、ノベル賞を横取りしようとした科学者、宇宙の誕生から地球の年齢、毒ガス戦、ナチスが欲しがった金属、コンゴ紛争、原子爆弾、インドの塩事情、地球外生命の存在確率等非常に多岐にわたって元素周期表の元素にからめて書かれているので読んでる人を全く飽きさせない。この本を読めば元素周期表に興味がでて「周期表を覚えよう」と思いますよ。
非常に面白くためになった本なので星5つ!
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6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By iccinc
周期律表を中心にすえて人間臭いトピックや政治、社会の要素を上手くミックスした好著。
科学的な内容についてもなるほどと思う内容に満ちている。

従来の科学史とは違う視点からのアプローチは新鮮で面白い。

化学に詳しい人も、詳しくない人も楽しめる。
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