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21 人中、19人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
悲しく、悲しく、心がつまる,
By 稲刈り唄 (大阪) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: スプートニクの恋人 (講談社文庫) (文庫)
孤独さが悲しくて仕方が無かった。この作品は現実の世界を描いていない。人間の生きている世界から、観念的な部分だけを取り出して物語にしたもの。そう思わないと、自分の中の片恋がむき出しになって、つらいのだ。けれど、意図的に目を背けて見ないようにしている感情のひとつを思い出させてくれて、今呼吸することの幅を確かに広げてくれる、優れた作品だと思う。
24 人中、20人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
流れ星の邂逅,
By
レビュー対象商品: スプートニクの恋人 (講談社文庫) (文庫)
村上春樹作品を読み続けてきた人にとっては、少しもどかしく感じる部分が多いかもしれない。しかし、根底に流れているものは、ひどく似通っている。 人が絶対的に孤独であること。それゆえに、人との「関係」を渇望すること。そして、関係に永遠はないこと。 文中にも出てくるように、人と人の交わりは、流れ星が一瞬すれ違うかのようなものかもしれない。
46 人中、37人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
レスボス島の不安,
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レビュー対象商品: スプートニクの恋人 (講談社文庫) (文庫)
この小説はかなり評判が悪い。だが作品としては、ある観点から眺めれば、成功しているといえる。これはもともと全集に収められた「猫」を主軸としてかかれたもの。そういった意味では、「蛍」「「ねじまき鳥と火曜日の女たち」のそれぞれを軸にした小説へ発展した『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』と同系列である。それは村上の言葉を借りれば、「書かれたがっている」小説であり、なぜこれらがそのようになるかをじっくりと考えなければ、真の作品の意味が問われることはない。商業的に失敗かもしれないが、作品の上では如実に村上の深まりを見せている。さらに最近では明らかに商業と作品とを区別しているように感じる。世界広しといえども、「売れる文学」を書ける数少ない小説家だ。マラソン選手が常に全力で走らないように、この作品は次へのステップへと続く重要な中継地点である。後半で舞台となるギリシャの小島は、レスボス島をモチーフとしているだろう。女性の同性愛を意味するレズビアンの原義である「レスボス」(レズビアン=レスボス島の住民)である。夜の島で音楽が聞こえ始める。おそらくこのシーンが作品のクライマックスである。主人公とその不安を同調できれば、狂気にも似た神秘が体験できるだろう。大事なのはもはやストーリーそのものではなく、また、構成でもなく、この作品自体に負荷された「重み」もしくは暗闇に引き込む「引力」であるように思う。
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