”実写映画”というものが、たとえフィクションであっても現実に起こっている
(あるいは意図的に起こした)ただ一度しかない貴い瞬間をフィルムに収めるもの
だと信じている人には受け入れ難い映画だろう。徹頭徹尾、ポストプロダクション
によって作られたカットの連続は、ライブと云うより、ほぼ”アニメ”である。
だが、世の中にはマンガやアニメやゲーム的なるものをあえて実写でやりたい!
と考える人々も幾人かいて、そのうちの一人(あ、二人か)が本作の監督だ。
僕はそれを否定したいとは思わない。
そんなスタイルの違いは、映画の良し悪しと全く関係ないと考えてるからだし、
何より映画はそれを排斥するほど偏狭なメディアじゃないと信じてるからだ。
まあ、そういうたぐいの映画は確かにデキの悪いのばかりだし、本作も傑作だと
は全然思わない。個人的にも、CGCGしたレース場で展開されるレース・スタイル
は好みじゃないし(苦笑)。
しかし、映画ファンである僕は本作を見ながら、作中で語られる「レース」
という存在に、いつしか「映画」という言葉を重ねていた。
ハリウッド・ビジネスの中で、世界を変える映画(含脚本作)を撮ってきた監督は、
薄っぺらなCGで造られた極彩色のレースの中で、
どんどんスピードを上げていく主人公が達する、
単純だが紛れもない真実を実感をこめて描くことができていたと思う。
この高揚感はアニメやマンガに抵抗感のないあなたやボクなら
共有できるんじゃないかな?