「脳は鍛えなくていい。鍛えられるという根拠がない」というのが本書の結論である。
これは、私が日頃、感じている脳に対する考え方とも合致したものであった。
「脳トレ」というゲームは、脳の活性化はするが、脳を鍛えることはしない。
言い換えれば、なんども繰り返しやっても、ただそのゲームのスキルを上げるだけということである。
脳は老化とともに劣化するわけではなく、老化と共に不活性化するだけなので、
それを避けるために麻雀をやるのはいいかもしれないという程度なのである。
本書は、3人のゲムクリエイターが脳に関する著作を読み、感想を述べ合い(3人とも大変な読書家である。
簡単に将来はゲームクリエイターになりたいと思っている中高生は、本書を呼んで諦めたほうがいいかもしれない)
それに対し、脳学者である米山公啓氏が解説を加えるという形式である。
取り上げられているのは以下の本である。
『海馬 脳は疲れない』池谷裕二 糸井重里
『脳と仮想』茂木健一郎
『唯脳論』養老孟司
『脳の中の幽霊』V・S・ラマチャンドラン
『妻を帽子と間違えた男』オリバー・サックス
『意識の探求 神経科学からのアプローチ』クリストフ・コッホ
上記の結論に達する本であるから、脳の本を少しかじった人はわかるとおり
前3者に対しては懐疑的あるいは揶揄的である。
米山さんの意見をランダムに羅列しておく。
・解剖学者に脳のことを語らせてはならない。なぜなら脳はひとつのシステムだからである。
心臓は解剖できるが循環は解剖できない
・哲学的文学的に脳を語っても意味が無いが、もう一つ意味が無いのは心理学的に語ることである。
心理学はあこのデータによる「アンケート学」に過ぎない。