「情報」とは、ある事実についての知識である。
しかもその知識は、事実を実際に経験するのとほぼ同等の価値を持つ。
一人の人間が体験できることには、限界があるだろう。
しかし、知識を得ることに限界は(体験するのと比べれば)ないといっていい。
だから、より多くの情報を所有する人間は他人よりも優位に立つことができる。
情報技術の氾濫した現代においては、なおさらそうであろう。
だが、「情報」にも大きな弱点がある。その知識が「事実に基づいていない」という危険性が、常につきまとうのだ。
ここに、「情報戦」や「情報操作」といったスキルを持つ人間が活躍(暗躍?)する場がある。
偽の情報を流すことで、あるいは本物の情報をある意図にそって流出させることで、状況をコントロールするのだ。
本書では、芸能界や政界で活動する「スピンドクター」達の事例が紹介されている。
ちなみに、スピンというのは「情報を自分たちの都合のいいように操作すること」というような意味である。
本書を読んだ後は、何気ないニュースにも「何者かの意図が隠されているのではないか」などとついひねくれた反応をしてしまう。