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最も参考になったカスタマーレビュー
31 人中、27人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
表紙以上の怪作,
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レビュー対象商品: スピリチュアルワールド見聞記 (単行本)
さて、怪作である。やけに懐疑論者的な天使と、幽体離脱した主人公(著者)の軽快なやり取りは楽しく、スッと読めてしまうが、博覧強記の著者から繰り出される情報量はあくまで多様で、濃い。だが、調子に乗って夫婦漫才を楽しんでいるといつのまにか不意を突かれる。「スピリチュアル」という言葉から読者が事前に設定してしまう認識の枠組みは、それが肯定的なものであれ否定的なものであれ、グズっと崩されてしまう。 前半は割とスッキリとしている。スピリチュアル現象の根拠となっている幽体離脱体験を、科学的検証実験を並べつつ、脳と心の次元の問題へと還元してゆく。それが、他ならぬ幽体離脱した主人公の口によって語られるあたりが、しゃれが聞いていて面白いが。個人的には、昨今のTMSを利用した高次脳機能の研究や、ラマチャンドランの幻肢切断手術などを思い浮かべながら楽しく読んだ。 ここだけ読むと、ああ、この本はデバンキングの本なのかなあという印象を抱くがさにあらず。近代スピリチュアリズムの歴史を辿る後半になると、ちょっと印象が違ってくる。 詳細に語るとネタばれになってしまうが、スピリチュアル「を」語るのではなく、スピリチュアル「で」何かを語りかけるようになる。スピリチュアルを梃子の支点にして、えいやっと重たい何かを読者に放り投げてくる。怪作たる所以はそのあたり。 某書店ではなぜか海外ミステリーにカテゴライズされていたこの本。海外からの引用が多いし、ミステリー的な展開といえばそういえなくもない後半の展開だが、最後に残されるのは混乱。しかし、知的混乱を快楽として受け止めることができる人には、なるほど上質のミステリーである。 だが、結局海外ミステリーの棚になかったこの本。書店員さんたちと探し回った挙句、手に取ったその表紙に集まる視線。これは何という羞恥プレイか。
14 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
スピリチュアルのガチ部分と心脳問題に興味ある人へ,
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レビュー対象商品: スピリチュアルワールド見聞記 (単行本)
懐疑的な天使と、弱気ビリーバーを演じるアストラル体化した瀕死の著者による夫婦漫才の様相を呈しており、読むための敷居を下げ、間口を広げているのだが、実のところ軽いのは表面であり、中身は深く、しっかりとしたかなりの良書。なにせ、軽い文章の中にさらっと登場してくる知見の多くが、他の日本語文献ではまだ紹介されていないであろう最新の論文の紹介であったり、歴史についても、孫引きオンリーの懐疑本とはレベルが違うのだ。実際に歴史的な記述は、フォックス姉妹だけでなく、メスマー、スウェーデンボルグ、カルデックも言及しており、シジウィック夫妻やホジンソンが登場する初期SPRまでの実際や論争を紹介する。逆にいえば、アイリーン・ギャレットや、イアン・スティーブンソン、チャルーズ・タート、キューブラー=ロス、ブライアン・ワイスなどは、あまり扱わない。しかし、有名なテニスシューズ事例もあるし、世界三大霊訓(とは書いていないが)のカルデック、モーゼス、バーバネルはちゃんと出てくる。なお、死後生存についてはNDE(臨死体験)を扱うものの、やや薄く、むしろOBE(体脱体験)など霊魂仮説をめぐる話が多くなっている。 ともあれ、熱狂的なスピ系信奉者と、その領域は全てゴミ扱いという否定屋は楽しめないかもしれないが、知識がある人や誠実な懐疑論者にとっては大変に面白く有用な一冊である。
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