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最も参考になったカスタマーレビュー
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5つ星のうち 5.0
現代霊性思想のガイド,
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レビュー対象商品: スピリチュアリティ革命―現代霊性文化と開かれた宗教の可能性 (単行本)
著者の樫尾氏は「スピリチュアリティ」という語彙に広範な意味を持たせ、現在日本に広く浸透している霊的大衆文化(スピリチュアルブーム、ニューエイジ、ヒーリング産業、江原啓之氏、宮崎駿氏のアニメ「もののけ姫」等、龍村仁氏の映像作品「ガイアシンフォニー」など)、宗教、新宗教、スピリチュアルケア、ホスピス等の医療活動を総称して「スピリチュアリティ」と大きく捉えた上で考察を行っています。一般に宗教学分野でこうした霊的大衆文化について深く論及する研究者が少ないので、島薗進氏以外の研究家の視点で考察された本書は大変有意義な内容として纏まっていると感じ読後も満足していますし、また再度読み直したい位にとても満足しています。 本書で特徴的な点は「現代霊性文化 = スピリチュアリティ」についての考察にウィルバー『インテグラル・スピリチュアリティ』『万物の歴史』等々の理論を使っている部分です。著者は「批判は、ウィルバー思想の前提に関わっている」と断った上で霊性文化を理論的に分析、解説する方法として利用しているとしています。インテグラル理論を使用した事で現代霊性文化の「ポジティブ」「ネガティブ」現象を精査する事が出来「スピリチュアリティ」に個人がどの様に向き合い社会はどの様なアプローチを行ってゆけば良いか著者なりの展望が示されています。 ただ、インテグラル理論を援用した結果、著者が本来伝えたいと“恐らく”思っている真摯で情緒的な霊性思想や将来展望がインテグラル思想の特徴である冷徹な理論に「還元」されてしまった様に感じてしまう部分も見られインテグラル理論を構築したウィルバーの深層にある「詩情」的な面を置き去りにしてしまっている事が少し残念な気もしました。また本書では触れられていない、形骸化した「葬式宗教」として定着している仏教については、どの様な展望があるのか伺えたらと感じました。次著でそれらの事も考察して頂ければと思います。著者が“前向き”に〈現代霊性文化〉を改革して行きたいと思う心意気はヒシヒシと感じました。 個人的に著者の「霊性文化」に対する冷静なアプローチは非常に好感を持ちます。軽率なアプローチで霊性文化を理解するのではなく情緒と冷静さを理解しているからこそ可能な論及でした。永遠哲学(ペレニアリズム)、禅、唯識、ヴェーダンタ哲学、神智学、神秘哲学、ウィルバー思想、等々の諸思想にも造詣が深い研究者・著者としてこれからも参考になる霊性文化の研究活動を続けて貰いたいと一読者として感じます。また次の作品も期待します。
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