著者はかつて日本原子力研究所の研究員であった。本書のテーマはまさに専門分野である。世界各国における原発の状況をはじめ、日本の原発が抱える問題点、技術者たちの心情など、細部にわたる記述がこの物語を臨場感のあるものにしていると言えよう。また、本書では、極端に短い文章と語尾の重複によって、テロリストと対策本部の緊迫した情勢が巧みに表現されている。読む者を引き込むこの筆致は、『イントゥルーダー』で1999年度サントリーミステリー大賞・読者賞をダブル受賞した著者ならではと納得できる。ただ、主人公の科学者と原発反対派女性との恋愛にいたる経緯には、いささか説得力に欠ける部分があるようだ。主義や立場が対極にあり、なおかつ「ひとまわり以上」も年の離れた男女が、それでも引かれ合う必然性の描写が欲しいところである。(冷水修子)
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5つ星のうち 4.0
テロリスト達の考えが今一つ伝わって来ない,
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レビュー対象商品: スピカ―原発占拠 (宝島社文庫) (文庫)
日本海沿岸の原子力発電所が謎のテロ集団に占拠される。著者は元原子力研究所の研究員というだけあって、原発内部 の描写は詳細であり、リアリティーに富んでいる。 原発を占拠したテロ集団により、機動隊は殲滅され、政府は 安全保障会議を開き対応を検討する。危機管理小説としての 側面もあり、エンターテイメント作品として充分楽しめる内容と なっている。また、原子力発電の問題点や将来についても、 考えさせられるものがある。 ただ、難を言えばテロリスト達の考えが今一つ伝わって来ない。 登場人物が多すぎるという事もあるのだが、彼らが何を考え、 何をしたかったのかが判りづらかった。 特に影の黒幕といわれている人物や、サリウスという博士に ついては、原発を占拠した目的が最後まで良く判らなかった。
1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
原子力発電所を舞台にした上質なミステリー,
By jackieken (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: スピカ―原発占拠 (単行本)
スーパーコンピューター「ワイズ」に制御されている最新式の原子力発電所が、完全武装の兵士達によって占拠された。彼らの目的はいったい何なのか?この原子力発電所の設計者である日野祐介は、いやおうなくこの事件に巻き込まれていきます。原子力発電所を舞台にして、物語はテンポよく進んでいき、決して飽きさせません。それに、著者が元原子力研究所研究員であるため、発電所の描写が正確で、より緊迫感を生み出す原動力になっています。読み進んでいくと、物語の状況がまるで映画のように頭の中に浮かんできて、どんどん引き込まれていきます。こんな感覚なることが、上質なミステリーの持つ特徴なのかもしれません。
5つ星のうち 4.0
テロリスト達の考えが今一つ伝わって来ない,
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レビュー対象商品: スピカ―原発占拠 (単行本)
日本海沿岸の原子力発電所が謎のテロ集団に占拠される。著者は元原子力研究所の研究員というだけあって、原発内部 の描写は詳細であり、リアリティーに富んでいる。 原発を占拠したテロ集団により、機動隊は殲滅され、政府は 安全保障会議を開き対応を検討する。危機管理小説としての 側面もあり、エンターテイメント作品として充分楽しめる内容と なっている。また、原子力発電の問題点や将来についても、 考えさせられるものがある。 ただ、難を言えばテロリスト達の考えが今一つ伝わって来ない。 登場人物が多すぎるという事もあるのだが、彼らが何を考え、 何をしたかったのかが判りづらかった。 特に影の黒幕といわれている人物や、サリウスという博士に ついては、原発を占拠した目的が最後まで良く判らなかった。
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