完全なヒーローでないところがいい。心を支えてくれるメイおばさん(ローズマリー・ハリス)。親友のハリー(ジェームズ・フランコ)。そして愛するメリー・ジェーン・ワトソン(キルスティン・ダンスト)。その他にも声を荒げて早口でまくしたてる雑誌編集長のJ・ジョナ・ジェイムソン(J・K・シモンズ)も、ピーター(トビー・マグワイア)にけちをつけながらも写真を買い取ってくれる。周りの人間たちの支えがあってこそスパイダーマンはニューヨークを救うことができる。それぞれのキャラクターに、それぞれいろんな想いが湧いてくるし、とても感情移入してしまう。ただのヒーロー映画に終わっていない。
新種のクモに咬まれ強い力を得たピーター・パーカー。高校を卒業し、大学へ通いながら、そして写真家をしながらニューヨークを救う多忙な毎日を送る。とてもヒーローとは思えない生活感のある人生にとても共感。そしてひどい家庭環境で高校時代を過ごしたメリー・ジェーンも女優を目指しニューヨークへ。オーディションもうまくいかず、ウェイトレスをする彼女は現実世界とシンクロする。
自分の大いなる力に責任を感じ、メリー・ジェーンへの愛に応えたくとも応えられないピーターが切ない気持ちにさせてくれる。家族愛、友情、恋愛模様を巧みに描きながら、目が離せないアクションシーンで惹きつけるこの作品は色褪せることはないと思う。