テキストサウンドノベルは結構一本道になりがちで、選択肢次第の展開バリエーションで
ボリュームを出し、ボイス化して差を付ける、というのが最近の傾向と感じられていたのだが、
こんなやり方も有るじゃないか、と嬉しくなった。
5人の主人公を同時並列としてザッピングのように話を読んでいくのだが、
この選択肢や展開が他のストーリーのスイッチのような役割を持っていて、
ややパズル的な要素を含む。結果として、読み進めていて詰まったら前の選択肢に戻ってとか、
他の人を読み進めたら次の展開へ、という単純な作業に終わらないのが結構面白い。
時間軸ごとに区切られた中で読み進めていくのだが、ある主人公の話が正答に進んだとしても、
他者のストーリでの正答の鍵となるスイッチがOFFのままで、結果として頭を悩ませる事になるなど、
一筋縄の作りではない。それでいながら煩わしさを感じさせないシステムはかなりの高評価。
ストーリーも巧みで、ミステリアスな展開の中にコミカルなエッセンスも有り。でも至ってハード。
また当初は付属的なサイドストーリーに感じられていた話が本筋にガッチリ絡んできたり、
賑やかしではなく5人の話が全て見事にコアな部分にリンクしてくるのは感動物。
演出も引き付けるもので、とにかく先が読みたくなった。
この手の移植物がPS2ではなくPS3になったのは、ユーザーとしては嬉しい限り。
普通なら無難にPS2だろうに、制作側の自信とも感じられるハード選択とも思われるが、
これだけのものなら納得できる。諸手を挙げて賞賛したいと思う。