世界で最も有名な投資会社バークシャー・ハザウェイの会長兼CEOにして、その卓越した投資哲学に敬意を込め「オマハの賢人」と呼ばれるウォーレンバフェット。
彼はどのような人生を歩み、どのような投資手法によって世界1、2位を争う資産を手に入れたのだろか?
これまで、伝記を書くことを否定してきたバフェットであったが、他人の手によるものではあるけども、この本で初めてバフェットの人生が浮き彫りにされている。ウォーレンバフェットはウェットに富んだ比喩を述べることが多く、今回のタイトル「スノーボール」も彼独特の比喩に由来している。
「人生は雪玉(スノーボール)作りに似ている。大切なのは、大きい雪玉を作るに適した長い長い坂を見つけることさ」
「私は小さな雪の玉をずいぶん若いときから固めた。10年遅く固めはじめたら、いまごろ山の斜面のずいぶん下にいただろう」
300時間以上ものインタビューと、家族・友人など250名以上の関係者への取材によって浮き上がってくる彼ははまさにスノーボールであった。
著書から良く分かることは、ウォーレンバフェットが本当に若いときから複利の力に気づき、長期的な視点でお金を運用し始めたことだ。 そして、 お金だけでなく、信用や友人との信頼関係においても、同じように長い時間をかけてを育んできた。今、彼の手元にある最大の資産は、お金ではなく、これまで築き上げてきた信用や信頼関係ではないだろうか?
下巻 P568
「だいたいにおいて、私ぐらいの年齢になると、愛してほしいと思っている人間のうちどれほどの人間に実際に愛してもらっているかどうかが、人生の成功の度合いを本当に測る物差しになる。大金持ちというのはいっぱいいて、公をねぎらう晩餐会を開いてもらったり、病院の棟に自分の名前をつけてもらったりする。しかし、世界中の誰にも愛されていないというのがほんとうのところだ。私ぐらいの年齢になって、誰にも良く思われていなかったら、銀行の貯金がいくら莫大でも、人生は大失敗だ。そのことは、人生をどう生きて来たかを表す究極のテストなんだ。あいにく愛は金では買えない。セックスは金で買える。公をねぎらう晩餐会も金で買える。どれほど素晴らしい人物かということを書いたパンフレットは金でつくれる。だが、愛を得るには愛される人間でなければならない。金持ちほど口惜しいだろうね。小切手さえ書けばいいと思っているから。100万ドル分の愛を買いたい、と。だが、そういうわけにはいかない。愛はあたえればあたえるほどもらえるものなんだ。」
ウォーレンバフェットについての話は、「株は何を買ったか?どのように株を選んでいるのか?」といった、テクニックの話になりがちであるが、この本ではその根底に流れる哲学部分に触れることが出来て非常に良かった。そして投資だけでなく、人生についても考えさせられる一冊であり、投資に興味が無い人にもお勧めしたい一冊である。