白地に青いリボンがかけられた、物語を売る人からのとっておきの贈り物。
特別な人に贈る、物語である。
同名の雑誌に掲載された小説が、Side A。
それに対を成すSide Bをあわせて、完全版として出版された。
この二つは同じモチーフの、しかし、まったく別の物語だ。
どちらも夫婦の情愛の濃やかさに、しんみりと心を動かされる。
こんな親密で素敵な夫婦像は憧れたくなる。
いつまでも、二人で一緒にいたいという、ささやかな願い。
それは途方もない願いだ。どんなに強い関係でさえ、永遠ではない。
Side AにもSide Bにも、散々泣かされながら読んだ。
まるで、作者から夫に宛てたラブレターだ。
同時に、読者にとってはミステリになる。
幾重にも仕掛けられた罠に、読み手は問わずにいられない。
「どこまで本当なんですか?」