本嫌いの中学生だった私を夢中にさせてくれたのが、L.M.モンゴメリの代表作「赤毛のアン」だった。
プリンス・エドワード島で赤毛の(男勝りな)少女が繰り広げる数々のトラブル、美しい島の情景、そしてアンの成長、まるで映画のように脳裏に映し出すことを可能にする文章は、好奇心旺盛な中学生(私)の睡眠時間を奪うには十分すぎるほどだった。
貪るようにアンのシリーズを読みだしたあの頃に戻りたくて、ふと本屋さんに立ち寄ると、この本が目に留まった。
「きっと神様の思し召しだわ」
なんて、(アンのように)勝手に思い込み、中身を開くこともせずに購入。
家に帰って読み始めると、一瞬であの「アンの世界」にどっぷり浸かってしまった。
プリンス・エドワード島は私が忘れてしまった間も、モンゴメリの世界の中ではとても鮮やかで美しく、島の子友達はみんな昔からの友達のよう。あまりに感情移入をしてしまって、子供たちと一緒に叱る大人に反発してみたり。
この本のタイトルにもなっている「ストーリー・ガール」はお話の上手な女の子、という意味なのだけれど、神話だって実話だって彼女にかかれば目の前で見たことのある「事実」のように感じてしまう、そんな素敵な才能の持ち主。
彼女のお話は読んでいるだけでも確かに、五感を震えさせ、喜びも悲しみも実体験のように感じさせてしまう不思議な力があるみたいだ。
きっとあなたのことも、子供のころに夢見た素敵な世界に連れ戻してくれる、そんな世界が広がっている。