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9 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
圧巻、葛藤の幻視!,
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レビュー対象商品: ストームブリンガー―永遠の戦士エルリック〈4〉 (ハヤカワ文庫SF) (文庫)
新装版エルリック第四巻。収録作は……「魂の盗人」(1962) 「闇の三王」(1962) 「忘れられた夢の隊商」(1962) 『ストームブリンガー』 第一の書「死せる神の帰還」(1963) 第二の書「黒の剣の兄弟(はらから)」(1963) 第三の書「悲しき巨人の楯」(1964) 第四の書「悲運の王の死」(1964) 初出の年代を見ても分るように、シリーズ最初期の作品たちです(シリーズスタートは1961年)。とはいえ全く心配無用! 今回の版は物語の時系列順となっているので、ひとまずの最終巻として怒涛のクライマックスに突入していきます。物語は圧巻の一言。混沌そのものと手を結び、世界を歪めつつ突き進むパン・タンの神政官ジャグリーン・ラーン。エルリック、ムーングラムらの宿命の行き着く先は……!? 多様性や変化といった「可能性」そのものである<混沌>と、規律や正義であり、「停滞」そのものともなる<法>。二つの勢力の戦いの反映としての世界。世界は一言で切り取れるものではなく、ここで示されているように「葛藤」そのものなのでしょう。また、ひかわ玲子氏の解説で示されているように、現在の現実世界は再びこの「葛藤」が激しさを増しているように見えて、だからこそ自身も混沌に属しながら法の力を借りて混沌と戦わねばならない葛藤そのものの存在であるエルリックやストームブリンガーの姿に心魅かれるのかもしれません。まさに現代の叙事詩といえるでしょう。 さて次巻からは、21世紀になってから書かれた、新世紀のエルリック・サーガとなります。40年前に書かれた本巻ですでに示されていた現代の叙事詩が、21世紀になってどのようなビジョンとして提示されなおすのか。楽しみに待ちたいと思います。
8 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
衝撃のラストを求める方は必見,
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レビュー対象商品: ストームブリンガー―永遠の戦士エルリック〈4〉 (ハヤカワ文庫SF) (文庫)
例えば、日本では永井豪の「デビルマン」だとか、小池一夫&小島剛夕の「子連れ狼」だとか、「ザンボット3」だとかがその衝撃的な幕切れでひとつの世代に決定的な影響を与え、今に至るまで語り続けられてきた訳だけど。イギリスの'60年代SF/FT界では、これがそれに当たります。これほど見事なカタストロフの幕切れは他になかなかないでしょう。 絶対のお薦めですが、ともかく1巻から全部読んだ上でなければこのラストにも意味がなく、また、このラストを読み飛ばしては今まで読んできた既刊にも意味がないとは言っておきます(その意味で、今回の新編集は、後から付け足されたエピソードを時系列順に組み込んでしまっているため、少し違和感がある出来ではあるのですが)。
7 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
終焉の時,
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レビュー対象商品: ストームブリンガー―永遠の戦士エルリック〈4〉 (ハヤカワ文庫SF) (文庫)
多くの苦悩・悲劇・冒険に満ちたエルリックの旅もここで決着がつくことになる。いわゆる旧訳版の最終巻にあたるのがこの巻で、これまで張られた多くの伏線が一つに収束し、怒涛のクライマックスへと向かう様は圧巻だ。愛すべき人との出会い、旧友との再会、相変らずのムーングラム、ついにはじまる神々との争い、広がる戦火、そして運命を担うエルリックの行き着く先は・・・。ムアコックの作り出した神話の、一つの集大成を見ることができる。さて、ここでエルリックの旅は終わるのであるが、全7巻であることをお忘れのはずはあるまい。改めて「真珠の砦」を読み返すべきだろうか?
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