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ストロボ (新潮文庫)
 
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ストロボ (新潮文庫) [文庫]

真保 裕一
5つ星のうち 4.1  レビューをすべて見る (19件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

走った。ひたすらに走りつづけた。いつしか写真家としてのキャリアと名声を手にしていた。情熱あふれた時代が過ぎ去った今、喜多川は記憶のフィルムを、ゆっくり巻き戻す。愛しあった女性カメラマンを失った40代。先輩たちと腕を競っていた30代。病床の少女の撮影で成長を遂げた20代。そして、学生時代と決別したあの日。夢を追いかけた季節が、胸を焦がす思いとともに、甦る。

内容(「MARC」データベースより)

キャリアも積んだ。名声も得た。だが、俺に何が残されたというのか。過ぎ去った時、遠い出会い、苦い別れ。閃光が灼きつけたせつない記憶。50歳のカメラマン喜多川の脳裏によみがえる熱き日々を描く連作小説。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

登録情報

  • 文庫: 340ページ
  • 出版社: 新潮社 (2003/04)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4101270236
  • ISBN-13: 978-4101270234
  • 発売日: 2003/04
  • 商品の寸法: 15.4 x 10.8 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.1  レビューをすべて見る (19件のカスタマーレビュー)
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7 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 「思わず二度読み」, 2004/11/11
レビュー対象商品: ストロボ (新潮文庫) (文庫)
真保裕一さんの作品は好きですが、短編作品だけは敬遠していました。
真保裕一さんの真髄は長編だと思っていたからです。
しかし、友人の評判を聞き読んでみたところ、
今まで読まなかったことを後悔しました。
多くの本を読んでいると、自分の人生観を変えさせられるほど、
影響力のある作品に出会うことがありますが、
その中でこの作品がそれにあたります。
読み終えたときの高揚感。巧みに構成された物語。魅力ある登場人物たち。
個人的な感想としては不満な点が思い当たりません。
短編作品だからこその素晴らしい作品です。
真保裕一さんのファンなので偏った評価になっているかもしれませんが、
真保裕一さんの作品の中で好きな作品をあげろと言われたら「ストロボ」はまず入ると思います。
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5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 芸術だけではなく人生について考えるには絶好の一冊, 2002/4/21
芸術家とは如何にあるべきかを、読者に構えさせずにさりげなく問う作品。遺影」「暗室」「ストロボ」「一瞬」「卒業写真」の五編からなる連作小説集。カメラマン喜多川の人生を22歳、31歳、37歳、42歳、50歳という年齢で区切り、各時期で流されていく人間の弱さ、そしてそれに棹差す人間の気高さを描いている。人の死を前にして、芸術家は単に芸術家に過ぎないのか、それ以上の人間としてあるのか。

 ともかく、構成が上手く、メモを取ろうと目次をみて愕然。そうか、こういう仕組みかと納得。本を片手に何度も肯いてしまう。

「慣れと計算と年期で仕事をした10年、代わりに失っていくもの」「昔と変わらぬ情熱」などという文字に、自分の仕事への姿勢を思い、省みざるを得なくなる。単に、人間の感情だけはなく、社会人としての仕事や芸術家としての誇りを描いたために、物理的なボリューム以上に重厚な作品になっている。

 江戸川乱歩賞作「連鎖」など社会派の作家として出て来た時は、どちらかと言うと理知的な作風という印象だったが、「トライアル」で小説作りの腕をあげた。今回は、泣かせるだけでなく、さらに人間のあり方を深く考えさせる作家になってきた。

「奇跡の人」や「ホワイトアウト」で評価を固めた人だが、僕はそれらを評価しない。人間の掘り下げが甘いし、本当の罪とはという問いかけの部分で安易な部分があるからだ。

しかし今回の「ストロボ」には文句の付けようが無い。芸術だけではなく人生について考えるには絶好の一冊だ。

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4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 しーんみりと, 2004/6/5
レビュー対象商品: ストロボ (新潮文庫) (文庫)
 小役人ものを書いたスピーディーなミステリとはまた趣向が違う。トライアルとも違う短編集。やけにしんみりさせられるのは気のせいではないだろう。

 本作は五章構成になっている。連作集というのは現在から見たものを集めて書くものだと思っていたが本作は違う。あとがきによるとそうとも言えないのだが、本作は第五章で50歳、そこから22歳まで遡るという異色の形式をとっている。力作だと、まず言っていいか。

 主人公はフリーカメラマン喜多川光司第五章遺影はラストシャッター。最後の最後に見せる顔は。第四章暗室は昔喜多川に憧れていたハルミの話。彼女が山で撮った写真は、壮絶すぎるもの。第三章ストロボは友人の黒部と。第二章一瞬は昔の恋人美佐子と。ラストを飾るのは卒業写真。喜多川いとって、本作にとって重要シナリオとなっている。ベストかもしれないな。

 写真に打ち込むのは何故だろう。何故そこまで写真が好きなのか。喜多川にとってそれをとくためのストーリーがこれ。特に暗室や一瞬、卒業写真と言った酷く思い入れの残るシナリオは欠かせない。

 ただのサクセスストーリーというのは惜しすぎる。これは喜多川光司という存在のヒストリーだと思う。何故美佐子と別れたのか。彼女の存在の意味は。ハルミは何故そこまで写真にこだわったのか。全てのストーリーには刻まれた喜多川の歴史がある。

 一作読むごとに手を休めた原因はなんだっただろう。しーんみりとして落ち着きたかったのかな。基本的に一気に読める真保らしいところはここでも十分に発揮されていると思う。ミステリーじゃないが個人的にお薦めできる。

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