清々しいほど王道の恋愛作品です。
まず、登場する男の子がみんなかっこいいし可愛い。
それぞれのキャラが個性的で引き立っていました。
この物語の核は「キャーッ◯◯くん!」と言われそうな、
主要キャラの「男子たち」だったと思います。
しかし、残念ながら始終微妙と感じる部分はありました。
ヒロインの仁菜子は、かっこいい見た目と自分への気遣いを受け、
蓮への想いをどんどん膨らませていきます。
でも、お互いの優しさが自分達だけの空間で多く行われ、
さらに自己満足な部分が強かったので、どうにも薄っぺらく物語の窮屈さを感じます。
悪い言い方ですが、結局顔なのかなと…。
例えば8巻中には、
仁菜子の応援を茶化したクラスメイトを蓮がたしなめるシーンがあります。
このように、自分が不利になるかもしれない状況下での優しさを、
もっと初期に散りばめてあったなら、こんなに違和感は感じなかったかもしれません。
また、男同士の友情は丁寧に描かれていたのに対し、
仁菜子と女友達の関係が、ただの取り巻きに終わっているのも残念でした。
この部分も狭く感じた一因です。
ヒロインを含め、登場する女の子たちがあまりに普通で薄い絆だった為、
物語を紡ぐ核を全て男子が背負ってしまった、そんなところでしょうか。
主要キャラたちの過去を描いた“番外編”もいくつか収録されていますが、
こちらの方が焦点をほぼ2人に絞った分、
心の描写も丁寧で本編より良い内容だったと思います。
とにかく、
「かっこいい男子を見たい!」
「キュンキュンしたい!」
「サクッと読みたい!」って方には、おすすめできる作品。
絵はとても丁寧でおしゃれです。
もう一歩踏み入った心理描写や広がりを望む方には、少し物足りないでしょう。
余裕のある方は、大人買いでも損はしないと思います。