小説版『ストロベリー・パニック』の完結編です。
ほぼ閉鎖空間となっている3校の女子校を舞台に、登場人物を女生徒オンリーに絞り、彼女達が奏でるかなり異質な恋愛模様や学園生活を描き出しているのが大きな特徴の作品で、傾向が非常に偏っている分、受け入れられる方とそうでない方にはっきり分かれる作品でもありますね。
同タイトルのアニメ版もありますが、それとはシチュエーションやキャラクターこそ同一ですが、全く異なったシナリオにて展開している作品であることも知っておく必要があります(コミック版はこの小説版を元にしています)。
小説版は、3校を代表する生徒を選ぶ「エトワール選」の顛末をメインに、それに出場することになってしまった女生徒達の葛藤や、エトワール位獲得のために背後で暗躍する3校生徒会の駆け引き等を描いています。前巻にてエトワール選の有力候補だった2組が脱落してしまい、混乱が極まり先が全く見えなくなった状況から今巻は始まります。
ストーリー展開は山あり谷あり、ギャグもあれば魅せ場もある、意外な裏設定やあっと驚くキャラクター配置等、非常に読者を飽きさせない急展開の連続で、ライトノベルとしては充分に楽しめる内容となっていると思います。
ただ、第1巻を「ミアトル」、第2巻を「スピカ」中心で描いていた関係からか、この巻を敢えて「ル・リム」中心に描こうとしている意図が見え、千華留の存在が非常にクローズアップされている反面、特にミアトルサイドの面々が薄くなってしまった印象があります。
同時にエトワール選に絡んだ権謀術数を描いた場面が多くなった反面、百合的展開はかなり控えめ(夜々が一人で気を吐いています)になっている印象もあり、ソッチ方面を多く期待していた向きには少々物足りない内容ともいえますね。
具体的には登場しないものの男性の影もあり、それを現実的と見るかこだわりが無いと見るかでも評価が分かれそうですね。