ある意味ヘタに今時の凄惨なサイコホラー作品作りに走るよりも、
心理的なサスペンスを作ろうとする姿勢には好感もてます。
でも、ちょっと頑張りすぎの感があります。
とにかく昔ながらのサスペンス・アイテムは全部揃えたましたね。
人気のない屋敷…無防備なヒロイン…
黒猫…鳴り響く電話の音…天候の崩れ…夜の嵐…
誰もいないはずの窓に燈る明かり…
そして、腹に響く低音を強調した不安を掻き立てるBGM…
各シーンを盛り上げるのはいいのですが、演出に力が入りすぎると
映画の肝心なところのパワーを殺いでしまうという好例かと思います。
古い古い前作の方がその意味で
突然さと現実味がもっともっとリアルに感じられました。
不必要に響き続けている怖さを盛り上げるための音楽の使い方も含め、
とにかく気を抜ける部分がないためか(全シーンを盛り上げようとしてるのか?)
このストーリーで最もショッキングなはずの場面までに、
観客はそれを受け止めるだけの準備を充分にさせられてしまっているのです。
予想外…という展開へのショックがないのです。
「エっ!?ウソっ!?」と、思わず息を呑んで口に手を当ててしまうような
ショックの効果が削がれてしまってるのです。
アメリカサスペンス映画の原点的な作風と、
頑張りすぎでも、ある程度効果を挙げていた演出にも
一定の評価はして、星は三つ。
でも、個人的にはこの原型となったといわれる
70年代のオリビア・ハッセーの「暗闇にベルが鳴る」と同時期の作品である
「夕闇にベルが鳴る」の方が、さらにさらに怖かったです。