主として精神的ストレスによる身体内部の反応をまとめた良書。
厚さは薄いが、中身は濃い。
ストレスの定義から始まり、ストレスホルモンとは何か、
ストレスと免疫とのかかわり、がんや老化との関係等、
病態の概要から分子レベルの応答まで簡潔に網羅されている。
ストレスと疾患との相関については、その存在を誰もが確信しているにも拘わらず、
「なぜそうなるのか」という決め手の概念が簡潔に示されている本は多くはない。
身近な例も盛り込みながら、詳しすぎず、易しすぎず、
かつ理論的な飛躍も矛盾もなく書かれている本書は、
客観性を重視した「医学科出身ではない医学博士」ならではの著作だろう。
なお、生物・医学系の方でなくてもストレスに学問的な興味のある方なら読むことができる。
かくいう私もその一人である。