長く続いたシリーズもついに最終巻。
これほど万人受けしない内容が続いたのは、コアなファンを掴んではなさない作品の魅力が大きいと思います。
SFファンタジーにしてハードボイルドな世界観の構築、戦術魔法士や魔族という設定によって醸し出される暗い空気を孕んだ独特の筆致は、なかなかに見れないものでした。
無資格の戦術魔法士であるレイオット。
半魔族の蔑称で呼ばれるカペルテータ。
彼らを中心に通して描かれる陰惨で人間性を剥き出しにしたドラマと壮絶で猟奇的ですらある戦闘、それらが日常との対比や過去と現在という時の流れを通して描かれていく様には、睡眠時間を削るほどに没頭させてくれるパワーがりました。
しかし、最終となる今回は、発刊までの間が空いてしまった為か、作者がじっくりと整理し、完璧にまとめてしまったような雰囲気があります。このシリーズ本来の魅力が半減してしまったと同時、誰にでも解りやすい結末が用意されてしまったのは個人的に残念です。
悪いとは言いませんが、どこか胸の内側から震えあがるような興奮は薄らぎ、あぁ、こうなったのかという肩すかしのような、安堵のような感覚を味わいました。
喜劇よりタチの悪い悲劇でない事には納得できますが、どこか予想通りだったのかもしれません。
それでも。
読んでよかったと思わせるだけの結末ではありました。
読み終わったあとも、もう一度だけでも話が読みたいと感じる作品でした。